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J6(ジェイシックス[1])は、中華人民共和国の比亜迪汽車 (BYD) が製造し、日本国内向けに販売する小型電気バスである。
小型電気バス「K6」をベースにした日本市場向けのローカライズモデルで、2019年より製造開始。主にコミュニティバスなどでの利用を想定しており、日本国内で多く導入されている日野・ポンチョのロングボディとサイズを含めた車両規格が近い。2020年7月に東京都の恩賜上野動物園で初導入され、2021年には国土交通省の「標準仕様ノンステップバス認定」を取得した[2]。2023年末時点で、BYDのバスとしては日本国内で最も導入実績が多い。
車体には、主にアルミニウム合金を採用して軽量化を図っている。
乗降扉は全ての車両でワンボックスカーのような外側スライド式のプラグドアで、日野・ポンチョのようなショートボディ車(全長6.29m)はなく、全てロングボディ車(全長6.99m)である。いずれも道路運送車両法による保安基準[3]の規定に従い、非常口を中央部右側に設置している。
日本国内での導入実績を踏まえ、2022年にはJ6をベースに開発された中国本土向けの車種「B7」を発売しており、こちらは非常口を設けていないほか、運転席と客席の間に防犯用の大きな仕切りを設けるなど、J6と仕様の違いが見られる一方、車両デザインはJ6 1.0とほぼ同一である[4]。
2019年3月25日に発売が開始された。
BYD社初の日本仕様車として開発され、日本の小型電気バスとして最長の航続距離である200kmを実現した[5]。 充電器はAC400Vの専用品であり、容量105kWh。バッテリーを約3時間で充電可能である[6]。 バッテリー重量の関係で、車両重量は従来のディーゼルバスよりも若干重い。
車両価格は税別で1,950万円。
使用されているバッテリーは、BYDの自社開発によるリン酸鉄リチウムイオン電池で、リア部分に設置されている。BYDはこのバッテリーについて、有害物質を発生させず材料をリサイクルできるとしている[7]。
都市型I(1扉)と都市型II(2扉)と郊外型(1扉)の3種類が販売された。乗車定員は以下の通りである。
2020年7月23日に東京都建設局が東京都交通局上野懸垂線(モノレール)の休止に伴う代替手段として導入されて以降、営業用では日本国内で50台以上が導入された。
後述の次期モデルである「J6 2.0」の発売に伴い、販売を終了した。
2022年5月10日に発売が開始された[8]。
先代モデル同様、日本市場向けに設計された小型電気バスで、型式はB70A02。
このモデルからBYD社が開発した新型リン酸鉄リチウムイオン電池「ブレードバッテリー」を採用し、これは結晶構造が強固で、熱安定性が高く、バッテリーパックに直接釘を刺す釘刺し試験でも熱暴走は起こらなかった非常に安全性高いのが特徴のバッテリー[9]を採用。またエネルギー密度も高いことにより従来型より満充電走行距離を延ばし、バッテリーをコンパクトにしたことで乗車人数の増加も実現させた。 バッテリー容量が従来モデルの105.6kWhから125.7kWhに増加し、満充電走行距離も200kmから220kmに拡大となった[8]。
CHAdeMO規格の急速充電にも対応しており、満充電に要する時間は約2.5時間となっている。
また外部給電機能の搭載によりV2LやV2Gにも対応。
バッテリーの保証期間も従来モデルの「5年または40万km」から「8年または40万km」に変更されている。
このモデルでは、出入口が2ヶ所の「都市型」と出入口が1ヵ所のみの「郊外型」の2種類が発売されている。乗車定員は以下の通りである。
2021年には日野自動車がBYDからの技術供与の上、J6のOEM車種である日野・ポンチョZ EVを2022年春に販売開始すると発表したが[11]、その後品質の作り込みに期間を要していることを理由に、2022年度中に発売が延期された[12]。
翌2023年2月16日、BYDがJ6の車両部品の一部に、日本自動車工業会が使用を自主規制している発癌性物質の六価クロムを使用していることが判明した[13][14]。日野自動車は同日付で日野・ポンチョZ EVの輸入発売を凍結(解消)すると発表したが、ただし日野自動車のニュースリリースでは発売凍結の理由は明らかにしていない[15][16]。
この件が日本のマスメディアで大きく報道されたことを受け、BYDの日本法人であるビーワイディージャパン株式会社は、同年2月23日付で「当社EVバスに関する一部報道について」と題したニュースリリースを発表[17]。通常の車両使用には無害かつ廃車時には適切にリサイクルして無害化処理を行うとして安全性を強調しつつ[17]、同年末に日本企業へ納入するJ6については日本自動車工業会の自主規制に準拠して六価クロムを使用せず製造販売するとした[17]。また2月27日には同社製の乗用車については六価クロムを使用していないことを発表した[18]。さらに2023年3月時点では、すでに日本国内で販売したJ6についても六価クロムを使用していない部品への交換作業を開始していることを明らかにした[18]。
なお、日本には自動車部品に六価クロムの使用を禁ずる法令等はなく[18]、日本自動車工業会がが定めた「2008年以降に新型車として生産販売される自動車には六価クロムを使用しない」とする自主規制のみであり[18]、同会に加盟する日本の自動車メーカーの製品であってもモデルチェンジを行わなければ「新型車」ではない[18]。そのため2023年現在、日本で生産販売される自動車にも六価クロムは使用されており、一例として三菱ふそうトラック・バスのバスやトラックにも防錆剤として六価クロムを使用していることがカタログに明記されている[18]。
試験運行でない営業運行のみ。
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