『Add』(アド)は仁木健/著、椋本夏夜/イラストのライトノベル。角川スニーカー文庫刊。長編7巻、短編集2巻の全9巻。
2007年8月7日、地球に一つの隕石が落下した。その隕石により致死率90%以上の通称「隕石病」(コメット・イル)が世界中に蔓延し、世界人口は半数まで減少した。各国はこの異常事態に対し、独裁を断行することを決断した。それから70年、状況はおちつき、日本を含む世界の半分の国家が民主主義を復活させていたが、もう半分の国家は「隕石病」の研究を元に作り出された「無機人」の排斥を口実に独裁を継続していた。2079年4月、日本政府の「外数員」(エージェント)であるミナヅキ=コウは指令を受け、東欧の地ラトリアに降り立った…
- ヒューマニズム
- 人間絶対思想。人間だけが尊く、無機人の権利を認めない考え方でこの作品での独裁国家の考え方。
- メカニズム
- 相互対等思想。人間と無機人は対等だとする考え方でこの作品での民主国家の考え方。
- 無機人
- 人間と同等の知能を持つ電子頭脳を搭載した、所謂ロボット。人間と同等の人権が与えられている。
- 感染者(アフェクティッド)
- 隕石病の影響で、脳の普段使用していない領域が刺激され、眠っていた力が発現した存在。能力は個人によって異なる。
- ミナヅキ=コウ
- 前髪の一部だけが白く、黒縁の眼鏡をかけた特徴のない少年。全身機械化人。妹を殺した罪を贖うために外数員となる。アフェクティッドで、驚異的な動体視力を持つ。能力名は「鷹の目(ホーク・アイ)」。
- 漫画をこの上なく愛し(最新のゲームよりも、目の前の漫画を選ぶほど)、一回の入店に何十冊も買う。読むのは大抵歴史的なものが多い。
- 「漫画の法則第○○条~」というのが口癖で、その状況にあった法則をたびたび口に出す。
- アイリーン=アイリス
- 崩壊した東ラトリアの軍人でアフェクティッド、風を操ることが出来る。能力名はコウ命名の「風妖精の羽(シルフイフェザー)」。
- アフェクティッドの代償として感情がほとんどない。ただし実際の代償は、過剰な感情であり、激しすぎる感情が自身を傷つける恐れから本能的に擬似人格を作り出し押さえこんでいる。ある事件の時に抑えていた感情が戻ったが、人格が不安定になり二重人格になってしまう。
- アマバラ=アイ
- アイリーン=アイリスの分裂した人格のひとつ。アフェクティッドの代償「過剰な感情」を抑えるために出来た擬似人格。
- アマバラ=リン
- アイリーン=アイリスの分裂した人格のひとつ。アフェクティッドの代償「過剰な感情」が強く出た人格。
- アマバラ=ミナ
- 外数員であるミナヅキ=コウの移動するスペアパーツたる一式。世界で最初の3体の無機人のひとり。無機人でありながらアフェクティッド、能力名は「すべて唯一(オールユニーク)」。
- マキムラ=シン
- ミナとマコトの兄弟で、アフェクティッド。対象の傷を治すことが出来る。能力名は「冷たい癒しの手(コールドヒーラー)」。
- アマムラ=マコト
- ミナとシンの「年下」で、アフェクティッド。相手の感情、心境状態を読み操ることが出来る。能力名は「赤い手」。
- カレル=ラウディス
- 「世界最高の頭脳一家」の一人。思考制御をする事で人類の精神面を今よりも成長させようとしている。そのために非道な研究も可能なヒューマニズム国家のジドリアに亡命する。フェアである事を尊ぶ性格のためクローンを作り、自分自身さえも研究に使ったため、オリジナルは廃人同然になり死亡。現在はクローンしかいない。
- カレン=ラウディス
- カレルの妹。兄想い。
- サーシャ=ラウディス
- カレルとカレンの母。世界平和に尽くした人。
- デマン=ラウディス
- カレルとカレンの父。