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AN/ALE-50は、自己防衛兵器の1つであり、敵の対空ミサイル攻撃から航空機を守るため、1996年から配備が開始されたアメリカ合衆国製の曳航型デコイ・システム(英語: Towed Decoy System)である。
代表的なECMシステムであるAN/ALE-50は、アメリカ空軍、アメリカ海軍と米レイセオン社との合弁事業によって開発された。飛行テストと実戦の両方において、AN/ALE-50は実弾発射された地対空・空対空の両ミサイルを無効化することに成功した。 現在、空軍、海軍、海兵隊やイスラエル空軍[1]といった複数の軍隊の航空機に搭載・運用されている。 このシステムはレイセオン・スペース・アンド・エアボーン・システム社のカリフォルニア州、ゴレタ(Goleta)の施設で製造される。
AN/ALE-50 システムは、通常は航空機翼下のパイロンによって搭載される制御装置(Controller)と格納/繰り出し機構(Launcher)、そして1つまたは複数の曳航式デコイ本体(Decoy)より構成される。制御装置はデコイの制御、監視、電源供給を行う[2]。デコイ本体は密封された円筒形のキャニスターで構成され、10年の使用期間を持つ。
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AN/ALE-50の使用時には、母機のはるか後方にケーブルによって曳航されたデコイから電波シグナルを放射する。敵ミサイル自身が追尾用のレーダー波を発している場合でも、敵航空機がレーダー波を発してミサイルを誘導している場合でも、これらの誘導用レーダー波に対して本来の反射波より強い電波を放射し反射波として偽装することで、母機の位置を欺瞞し敵ミサイルを誤った位置に誘導する。これにより敵のレーダー誘導式ミサイルから航空機と乗組員を守る。
1996年、AN/ALE-50はF-16上で初めて配備され、F/A-18E/FとB-1でも運用されて、ボスニアとコソボ、アフガニスタンで成果を上げた[3]。米陸軍の飛行士達はこのデコイに「小さな相棒」(Little Buddy)というニックネームを付けた。AN/ALE-50はより多くのプラットフォームに搭載が可能とされる統合脅威防御システムであるAN/ALQ-184(V)9に統合されている。
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