3GPP(スリージーピーピー、Third Generation Partnership Project)は、W-CDMAGSM発展形ネットワークを基本とする第三世代携帯電話 (3G) システムおよびそれに続く第3.9世代移動通信システムに対応するLTEや、第4世代移動通信システムに対応するLTE-Advanced、さらに次の世代である第5世代移動通信システム(5Gと略記されることが多い[1][2])の仕様の検討・作成を行う標準化プロジェクトである。

概要

アメリカのT1委員会(現:ATIS)、欧州のETSI、日本の電波産業会 (ARIB)、情報通信技術委員会 (TTC)、韓国のTTAといった各国・各地域の標準化団体により1998年12月に設立された。後に中国CWTS(現:CCSA)も加わった。3GPPはあくまでも標準化団体間の「プロジェクト」であり、法人格は持たない。

3GPPはW-CDMA (UMTS) に関する通信方式やデータフォーマットなどの技術仕様のほか、TD-CDMAに関する技術仕様の検討・作成も行っている。また、当初は第三世代携帯電話の仕様のみを作成していたが、その後検討範囲が拡張され、GSM仕様の拡張・維持管理、GPRSEDGEの仕様検討作業も3GPPの下で行われている。

プロジェクトに参加する各標準化団体は、3GPPが作成した技術仕様をそれぞれの国・地域の標準規格として制定する。ITUIMT-2000に関する勧告(ITU-R勧告 M.1457、ITU-T勧告 Q.1741)は各国・各地域の標準規格のドキュメントを参照しており、これによって3GPP仕様は国際標準規格として位置づけられている。

リリース5にはW-CDMAの上位規格であるHSDPAの技術仕様が、リリース6はHSPAや無線インタフェースのアップリンクを強化したHSUPAの技術仕様が含まれている。リリース7はHSPA+を多く含んでおり。リリース8とリリース9がほぼLTEに対応し、リリース10以降がLTE Advancedに対応する。

3GPPファイルフォーマット

3GPPが規格を定めているファイルフォーマットを3GPPファイルフォーマットと呼ぶ。3GPPファイルフォーマットは、主にMMS(日本でいう写メールiショットに相当)で動画や音声をメールで送信するために利用される。FOMAiモーションのファイルフォーマットに採用されている。拡張子は.3gp。

3GPPファイルフォーマット自体はMPEG-4MP4ファイルフォーマットをベースとしている。採用されているコーデックは以下のとおりである。

Specification Groups

さらに見る WG名, 議論する種類 ...
3GPP WG一覧[3]
WG名 議論する種類 remark
TSG RAN Radio Access Network
RAN WG1 Radio Layer 1 (Physical layer)
RAN WG2 Radio layer 2 and Radio layer 3 Radio Resource Control
RAN WG3 UTRAN/E-UTRAN/NG-RAN architecture and related network interfaces
RAN WG4 Radio Performance and Protocol Aspects
RAN WG5 Mobile Terminal Conformance Testing
TSG SA Service & Systems Aspects
SA WG1 Services
SA WG2 System Architecture and Services
SA WG3 Security and Privacy
SA WG4 Multimedia Codecs, Systems and Services
SA WG5 Management, Orchestration and Charging
SA WG6 Application Enablement and Critical Communication Applications
TSG CT Core Network & Terminals
CT WG1 User Equipment - Core Network protocols
CT WG3 Interworking with External Networks & Policy and Charging Control
CT WG4 Core Network Protocols
CT WG6 Smart Card Application Aspects
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脚注

関連項目

外部リンク

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