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麻雀における役の複合(やくのふくごう)とは複数の役が矛盾しない形で同時に成立する状態のことをいう。役が複合すれば飜数は全て加算されるため、麻雀では常に役の複合を意識してプレイすることになる。
麻雀の手作りにおいて1回のアガリで同時に複数の役が成立している場合、すべての成立役を加算して点数計算を行う。例えば下図のようなアガリの場合、
タンヤオ・平和・ツモ・三色同順の計4役にドラ1枚が複合して、合計6飜のアガリとなる。つまりこのような状態が、「それぞれの役およびドラが互いに複合している状態」である。
配牌とツモに恵まれ、まともな手作りを経ればより多くの役を複合させて高得点を得ることができる。上の牌姿の場合、さらに立直を掛けていれば一発や裏ドラなどが複合して、より高い得点になる可能性もある。このように麻雀とは、色々な牌の組み合わせでアガリ形を作るゲームであると同時に色々な役を狙い、それら可能な役をいくつも複合させてより高い手を狙うゲームでもある。
もちろん、諸々の理由により他の役が1つも複合しない最終形ができあがることは少なくない。例えば下のような牌姿で立直を掛けたとすると、
ツモ和了であれば三暗刻が複合したがロン和了だったためにこれが付かず、裏ドラも乗らなかったため結果としてリーチ以外に役が複合しない手になってしまった。このようなリーチのみの手、あるいは役牌のみの手や一盃口のみの手など他の役が一つも複合していない手は「ノミ手」と呼ばれる。
なお、役の複合に関してはいくつかの制約があり、これは次節で詳説する。
基本的にはまず手牌を面子ごとに分解し、その形が複数の役の条件に合致していれば全ての役が複合する。ただし、以下に示すような条件がある。
役Aの条件を満たせば自動的に役Bの条件も満たされるような場合、役Aは役Bの上位の役であると言う(役Aで使用する牌の一部で役Bも構成できる、という際も言うことがある。例えば大三元は小三元の上位役であるなど)。この時、役Bは複合せず役Aだけをカウントする。例えば清一色が付けば混一色は付かない。清一色は混一色の条件を自動的に満たすからである。同様に二盃口は一盃口の上位役、ダブル立直は立直の上位役、混老頭および純全帯么九は全帯么九の上位役で、上位役の成立に際して同時に下位役を複合させることはできない。但し例外として立直と一発、小三元と三元牌のうち2つ、混老頭と対々和、七対子のいずれか片方は複合する。
2通り以上の面子の分け方がある場合、まず面子の解釈方法を決めてから役を決定する。したがって、別々の面子解釈において成立する役同士は複合できない。
1つの役は別の面子の組み合わせがあったとしても、2役分カウントすることはできない。
流し満貫は手牌に無関係な特殊形のため、他の役と一切複合しない。
役満が成立している場合、得点計算上は他の役は全て無視される。これは「役満以外の役は役満とは複合しない」とも「役満以外の役は役満と複合しても無視される」とも取れる。どちらの解釈でも得点は全く変わらないが、完全先付けのルールでは「役の成立」の是非を巡り問題になることがある。
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