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かつて峠を越える道路は国道318号に指定されていたが、特に阿波市土成町吉田から東かがわ市兼弘間の7.2kmは見通し悪く、山間部特有の急カーブの連続、狭い道幅、冬季の凍結などがあり、交通の難所であったため、トンネルの必要性が認められ、1986年に完成した。
現在峠を越える旧道は崩壊の危険性があることから閉鎖され、通ることはできない。
この峠にはいくつかの伝説がある。
昔、鵜を使って魚をとるのが上手な漁師がいた。漁師が峠で休憩していたら一人の旅僧がやってきて「漁師さん、あなたは長い間殺生をしてきたがもうやめなさい。年老いてから生物怨念に悩まされますよ」と説いた。漁師は「ごもっともですが、生業なので」といって持っていた団子を僧にすすめた。僧は「ありがとう」と言って団子を口にほうりこんだが、一口もかまずにグッとのみこむんだ。漁師はその異様な食べかたにゾッとするのを覚えたので、いそいで立ち上がり漁に向かう支度をはじめた。ところがふとみると僧がどこにもいなく、漁師は不思議に思ったが、そのままある池で漁をはじめた。ところが、鵜が突然、怪魚に襲われた。漁師は、格闘の末、怪魚をとらえ、持ち帰り腹をさくと、峠で僧に与えた団子が出てきた。峠の僧は、怪魚の化身だった。その後、漁師は、一切魚をとらなかったと言われている。この後、この峠が「鵜の峠(たわ)」と呼ばれるようになった。ちなみに峠の事を垰あるいは乢と書いて「たわ」や「たお」と読む事もあり、そこから来てる可能性がある。
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