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デッサン、スケッチなどとは見た目上の違いがない場合もあるが、これらとは作者の意図によって区別される。
特に特別な道具や素材は使わず、紙と鉛筆さえあれば描くことができるので、鉛筆画を趣味とする人も少なくない。また、鉛筆の性質上、紙以外の素材に描くことは難しい。
鉛筆画の多くは、写実的で白黒写真のようなものが多い。実線はもちろん陰影についても細部に描きこみ、忠実に描く。写真などを参考に人物を描くことが多い。
色をつけない場合、紙の大部分を黒色で埋め尽くすので、全体的にダークな雰囲気になりやすい。色をつける場合は、紙の凹凸により色がつかない白い部分が点々と残り、ぼかしたようなやわらかい雰囲気になる。
鉛筆は、さまざまな濃さのものをうまく使い濃淡を表現する場合と、HBやBなど中庸的な濃さのものを限定して使い、筆圧をコントロールすることで濃淡を表現する場合が一般的である。また、線の数や太さをうまく調節して表現する方法もある。細密な表現を可能にするために、ドイツのシュルツ・ヘンケが考案したレタッチング技法、日本の東條宇作(東條會館の創立者)が考案したスポッティング技法など、古くからさまざまな方法が工夫された。レタッチング技法については、明治43年に上田写真機店の出版・編集部(上田竹翁ら)が、日本に最初に紹介した。平成に入ってから、細密な鉛筆画のこうした技法は格段に進化したといわれる。
保存が難しく、湿気や直射日光により紙が酸化されることで劣化してゆく。描画中も手の脂や汗、吐息に含まれる水蒸気など些細な要因でも、かすれ、劣化の原因になる。完成後の作品をまとめて保管する場合、作品同士がこすれあい、黒鉛が移ってしまったり、かすれたりする場合もある。
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