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金森一咳(かなもり いちがい、本名 比呂尾 ひろお 1941年 - 2013年)は、日本の画家、俳号(三猪) 大阪市出身。妻は歴史家の金森敦子。
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唐時代の詩人王維を開祖とする中国 南宋画は詩・書・画一体を、文人であることの条件とした。 それゆえ南宋画は、後に文人画とも呼称された。 この南宋画の精神を受け継いで、日本の江戸時代に成立したのが、与謝蕪村や池大雅による南画である。
中国文人と違って蕪村や大雅は画を活計とせざるを得なかったが、しかしその理想は、中国南宋画の脱俗と高踏への遥かなる想いであった。 達磨、寒山拾得、などの「禅宗絵画」から出発した私もまた、この南宋画への遥かなる想いを同じくする者である。
当初は、教典や禅語をもっぱらに画賛句としてきたが、己自身の詩句へのこだわりを捨てることができず、詩・書・画一体への渇きは、「俳諧十牛図」私家版俳画集「荊冠」となり、現在、詞画集「虚空するモーツァルト」が進行中である。
柔らかい曲線と淡彩が特徴的な南画風を真似て画を描くことは、むしろ南画の精神からは一番遠い精神だと自戒しつつ、南画風とは似ても似つかない濃墨と金銀彩色によって、私が最も試みたかったのは、何よりも詩・書・画一体を通しての脱俗へのあとがれであることを、己の非才をも省みず申し述べておきたいと言っている。
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