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『遊び』(あそび)は、1971年(昭和46年)公開の日本映画。
増村保造監督が大映で撮った最後の作品。原作は野坂昭如の短編小説『心中弁天島』。倒産直前の大映作品であり、製作現場では資金調達などがすでに難しくなりつつあったという。
それぞれ過酷な環境に置かれた少女と少年とが出会い、2人でそこから抜け出そうとするため、さらに状況が切迫していく……、という物語。ストーリー上は青春ドラマの一種である。
カラー、スコープ・サイズ。
工場で働く少女は、社員寮で暮らしながら街で遊ぶことも男の子と2人で喫茶店に入ることもしないまま実家に仕送りをしてきた。ある日母からそれでも足りないと金を無心された少女は、以前ホステスに転職した元同僚からキャバレー勤めに誘われたことを思い出す。少女が街の公衆電話の電話帳で元同僚の番号を調べるが分からず困っていた所、声をかけてきた少年から直接キャバレーに行くことを提案される。
ただしキャバレーの開店までかなり時間があることから、少女は少年に誘われて喫茶店に訪れ明るい彼との会話に花を咲かせる。続けて映画館に行くことになった少女は、初めて男性と2人で映画を見ている内に胸が高鳴り、少年に恋愛感情が芽生えてしまう。その後映画館を出ると少女は少年からホステスよりいい仕事を紹介すると言われたため、キャバレー店に行くことをやめて彼の行きつけのバーに案内される。
少女はバーで初めて酒を飲んで気分が良くなるが、実は彼はヤクザ組織に所属する舎弟で密かに彼女をいかがわしい店で働かせようと企んでいた。少女がトイレに行ったのを見計らい、少年は組織の兄貴分(以下、“兄貴”)と会って「彼女を夜の街で少し遊ばせた後21時にいつもの旅館に連れて来い」と一万円を渡される。“兄貴”は、これまで組員を使って旅館に若い娘たちを連れ込み、女を襲って脅した後風俗店に売り飛ばしては組の資金にしていたのだった。
その後少年は少女と共にディスコに訪れ、踊ったことがない彼女にゴーゴーを教えて一緒に踊るが、後から来た若い娘と話し込んでしまう。少年にヤキモチを焼いた少女は機嫌を損ねて店を出てしまい、彼女が逃げたと思った彼も慌てて店を出て外を探し周る。数分後少女を見つけた少年は、「娘はただの知り合い。俺はお前が好きだ」と口づけを交わして信用させ彼女と旅館へと向かう。“兄貴”の到着を待つ少年だったが、いつしか少女を本気で好きになっていたことに気づくと、突如心変わりして命令に背き彼女と逃げることに。
2人は旅館を飛び出しタクシーに乗り込むと、“兄貴”に捕まれば殺されるかもと考えた少年が最後に贅沢をしたいと言い出す。別の旅館に着いた2人は豪華な食事をした後お互いの気持ちを伝えてベッドを共にし、彼女は実家も仕事も捨てて彼についていくことを決める。翌朝旅館を後にした2人は走り続けて草原にたどり着き、川岸で見つけた小舟でどこに続いているかも分からない川をどこまでも下っていくのだった。
(関係性によって並べた。太字は、クレジット1~2枚目に名前が載っている俳優である)
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