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麻雀における罰則のひとつ ウィキペディアから
責任払い(せきにんばらい)とは、麻雀における細目ルールのひとつで、ある特定の役の和了(あがり)が発生した時に、その役を確定させる副露(鳴き)を許したプレイヤーに対して課される罰則(点の支払い)である。
責任払いは中国麻雀で役満貫とほぼ同時に成立したと考えられている。中国麻雀では時代が下ると責任払いは行われなくなったが、日本では大三元や四喜和を確定させる3副露目、字牌のみ・老頭牌のみ・同一数牌のみの4副露目、自風牌と三元牌2種のポンのように副露によって3翻以上が確定した場合に対しても責任払いが適用されていた。1952年に発表された報知ルールでは対象が絞られ、責任払いが確定するのは四槓子・大三元・四喜和に限られ、字一色・清老頭については4副露後にツモあがりされた場合に適用されることとなった。責任払いが現在のように役満を確定させた場合に限られたのは1990年代以降である。
大明槓の包は昭和初期に放銃者一人払いが導入された頃に成立したとされており、当初は全国的に普及することはなかったもののルールとしては認識されており、一部の競技麻雀団体でも採用されていた時期があった。
二つの三元牌を晒している(ポン、槓(暗槓も含む))相手に対して残り一種の三元牌を捨て、その三元牌もポンされた場合。
三つの風牌を晒している(ポン、槓(暗槓も含む))相手に対して残り一種の風牌を捨て、ポンされた場合。
すでに3つ槓子を晒している上に手の内に暗刻子を持っている者に対し、その暗刻子と同じ牌を捨てて大明槓された場合。
副露によりこれらの役満が確定してしまった場合、その役が和了に至ったときには、
という特殊な点棒のやりとりが行われる。(右図)
なお、複数の役満が重複した場合、責任払いの対象になるのは包の対象となった役のみで、それ以外の役満の分の点数については通常通りの支払いとなる。例えば、風牌4種を4副露した者が三元牌の単騎待ちで和了した場合、つまり大四喜・字一色のダブル役満を和了した場合、以下のような支払いになる。
つまり包が適用されるのは大四喜の分だけで、字一色の分については通常の点棒のやり取りを行う(四喜和#大四喜の包も参照)。
役満の複合を認めず、上記のような役でもシングル役満として扱って打止めにするルールの場合には見解が分かれる可能性もあるが、大四喜という役満を確定させた点を重視して包を適用することがほとんどである。この場合は包の適用を受ける役が優先されるため自模和には1人払い、栄和には折半となる。
小四喜、清老頭、字一色、緑一色といった雀頭にも条件がある役満には原則として包は適用されない。包則はあくまで「役満を確定させたこと」に対して課される罰則であり、小四喜は3副露、清老頭・字一色・緑一色は4副露したとしても雀頭が役の条件を満たしてなければ役満にならないので役満が確定したわけではないからである[注 1]。確定していない手牌に対して包則を適用することはできない。ただしこれは現在の一般的なルールにおける取り決めであり、かつては、鳴いてもよい役満すべておよび清一色が包則の対象であった[1]。
包が適用される役満は、基本的にはあくまで上で例示した3役のみである。ただし、ある程度広く知られているローカル役満の中には、「包を適用しうる役」がいくつかあり、その代表的な例が以下の2つである。
四連刻が成立しうる3刻子を3副露している相手に対し、その4刻子目をポンされた場合。
3副露して一色三順を成立させている相手に対し、同色同一順子の4順子目をチーされた場合。
ルール | 採用状況 | 備考 / 細目 | 出典 |
---|---|---|---|
東風荘 | 包は無し | サービス終了。 | [2] |
雀賢荘 | 大三元・大四喜に対して適用 | [3] | |
東南荘 | 大三元・大四喜に対して適用 | サービス終了。 | [4] |
ハンゲーム 麻雀4 | 大三元・大四喜に対して適用 | 包は和了点にのみ適用される。積み棒の扱いは通常の和了と同じ。チップに対しては包は影響しない。ワレメは包の適用後に適用される。 | [5] |
三人麻雀 | ハンゲーム包は無し | [6] | |
Maru-Jan | 大三元・大四喜・四槓子に対して適用 | [7] | |
天鳳 | 大三元・大四喜に対して適用 | [8] | |
雀魂 | 大三元・大四喜に対して適用 | [9] | |
龍龍 | 大三元・大四喜・四槓子に対して適用 | 積み棒は放銃者が負担 | [10] |
闘牌王 | 大三元・大四喜に対して適用 | [11] | |
雀龍門M | 大三元・大四喜に対して適用 | [12] | |
麻雀格闘倶楽部 | 大三元・大四喜・四槓子に対して適用 | 三人打ち・四人打ちともに包則あり。 重複役満については、アガリの点数全てに対して責任払いが発生(下記※参照)。 | [13] |
セガNET麻雀 MJ Arcade | 大三元・大四喜・四槓子に対して適用 | 三人打ち・四人打ちともに包則あり。 MJ4EVO以前は四連刻に対しても適用。 |
[14] [15] |
麻将連合 | 大三元・大四喜に対して適用 | [16] [17] | |
日本プロ麻雀協会 | 包は無し | [18] | |
最高位戦日本プロ麻雀協会 | 包は無し | [19] [20] | |
日本プロ麻雀連盟 | 大三元・大四喜・四槓子に対して適用 | 積み棒は放銃者が負担。 ただし、公式ルールでダブル役満の場合、積み棒はツモ和了においては他の3人が、ロン和了においては包になった者が支払う。 | [21] |
101競技連盟 | 包は無し | [22] | |
RMU | 包は無し | [23] | |
モンド21麻雀プロリーグ | 大三元・大四喜に対して適用 | [24] | |
Mリーグ | 大三元・大四喜・四槓子に対して適用 | 積み棒は包になった者が負担。 | [25] |
全国麻雀段位審査会 | 大三元・大四喜・字一色・清老頭・緑一色に対して適用 | 大四喜・字一色・清老頭に関しては4種類目をポンさせた時、および、緑一色に関しては4メンツ目を副露させた時に適用される。 | [26] |
THEわれめDEポン | 不明(ルールページに言及なし) | [27] | |
『平成版 新報知ルール』 | 大三元・大四喜に対して適用 | 井出洋介、1997年。 | 監修:[1] |
『ヒサト流 リーチに強くなる麻雀入門』 | 大三元・大四喜に対して適用 | 佐々木寿人、2012年。 | 著者:[28] |
雀ナビ四人麻雀オンライン | 大三元・大四喜・四槓子に対して適用 | 段位戦では採用してないが、チャット対局と呼ばれるルール設定ロビーで設定可能 | [29] |
大明槓によって嶺上開花が成立した時、大明槓をさせた者の責任払いとするルールがある。「大明槓の責任払い」とも言う。
(例)東1局0本場 / 25000点持ち / 子 / 10巡目 / ドラは無関係の風牌
大明槓の包を採用する場合は、本来フリテンが適用されるはずの牌による和了であっても結果的に「振り込み」が成立する可能性が生じる。例えば以下のようなケースである。
(例)南3局0本場 / 11000点持ち / 親 / 10巡目 / ドラ表示牌
上の例と同じくレアケースではあるが、大明槓のあと暗槓や加槓を挟んで嶺上開花となる可能性もある。その際「大明槓の包」を適用すべきか否かについては事前に確認しておく必要があるが、麻雀劇画『白 HAKU』には主人公が四槓子を和了する次のようなシーンがあり[30]、そこでは大明槓のあとに暗槓を挟んだ嶺上ツモに対して包が適用されている。
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