『貞元新定釈教目録』(じょうげん しんじょう しゃくきょう もくろく)とは、中国唐の円照が勅を奉じて編纂した経録(仏典目録)である。30巻。800年(貞元16年)に徳宗に上進された。「貞元録」と略称される。
概要
『開元釈教録』の成立後、玄宗・粛宗・代宗・徳宗の四朝70年を経て、開元年間(713年 - 741年)以来に訳出された仏典を追加するために、貞元15年(799年)に徳宗の勅令によって編纂が開始され、翌年に成った経録である。
貞元録は、高麗大蔵経のみに伝存し、現行の大蔵経類は、全てそれに依拠して後世の訂補が加えられている。また、日本には、唐代に将来された写本系統の伝本が遺存しており、そこには、後に削除された三階教典籍が記載されている。
構成
- 総録
- 特承恩旨録 - 「開元録」未収の、諸経論の大蔵経への入蔵牒を収録している。
- 総集群経録 - 「開元録」の「総括群経録」に相当する。それを転載した上に、追加の70余年の記事を加えている。
- 別録
- 分乗蔵差殊
- 明賢聖集伝
テキスト
- 『大正新脩大蔵経』巻55「目録部」
参考文献
- 塚本善隆「日本に遺存する原本貞元新定釈教目録」
- 伊東ひろ美「法隆寺一切経にみる「貞元新定釈教目録」:同朋大学所蔵本を中心に」(『同朋大学仏教文化研究所紀要』21、2001年)
- 宮崎健司著『日本古代の写経と社会』(塙書房、2006年)
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