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課税物件から税額を算出するために、課税物件となる物・行為・事実を金額化・数量化したもの ウィキペディアから
課税標準(かぜいひょうじゅん、ドイツ語: Bemessungsgrundlage)とは、課税要件の1つであり、課税物件から税額を算出するために、課税物件となる物・行為・事実を金額化・数量化したものである。
課税物件となる物・行為・事実から税額を算出するためには、その物・行為・事実を金額・価額・数量等で表すことが必要であり、これらの金額・価額・数量等を課税標準という[1][2][注釈 1]。金額・価額を課税標準として課される租税を従価税といい、数量を課税標準として課される租税を従量税という[2]。
租税法においては、課税標準の算定について複雑な規定が多く設けられており、国家(租税債権者)と納税者(租税債務者)との間で紛争が生じやすく、課税標準法の究明は研究上特に重要とされる[2][3]。
この節は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
居住者に対して課する所得税の課税標準は、総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とする(所得税法22条)。基本的には、各種所得につき損益通算・1/2課税・損失の繰越控除を適用して課税標準を求める。これに所得控除等を適用した額を課税所得金額といい、税率を乗じることによって税額を算出する。所得税法上の課税標準の外に租税特別措置法上の課税標準がある。
所得税上よく用いられる課税標準には次のものがある。[4]
課税資産の譲渡等に係る消費税の課税標準は、課税資産の譲渡等の対価の額(対価として収受し、又は収受すべき一切の金銭又は金銭以外の物若しくは権利その他経済的な利益の額とし、課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税額及び当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する額を含まないものとする)とする。(消費税法28条1項)
保税地域から引き取られる課税貨物に係る消費税の課税標準は、当該課税貨物につき関税定率法第4条から第4条の8まで(課税価格の計算方法)の規定に準じて算出した価格に当該課税貨物の保税地域からの引取りに係る消費税以外の消費税等(国税通則法第2条第3号(定義)に規定する消費税等をいう。)の額(附帯税の額に相当する額を除く。)及び関税の額(関税法第2条第1項第4号の2に規定する附帯税の額に相当する額を除く。)に相当する金額を加算した金額とする。(消費税法28条3項)
その課税期間中に国内において行った課税資産の譲渡等(輸出免税など一定のものを除く。)に係る課税標準である金額の合計額を課税標準額という。課税標準額及び課税標準額に対する消費税額は、消費税の確定申告書の記載事項である。(消費税法45条1項本文、一号、二号)
個人の場合、住民税の所得割の課税標準は、前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とする。(地方税法32条1項、313条1項)具体的には、所得控除後の総所得金額等(課税総所得金額等)を求め、この課税標準額に税率を乗じることによって税額を算出する。(地方税法35条1、2項)。
法人の場合、法人税額又は個別帰属法人税額が課税標準とされる。(地方税法23条三号、292条三号)
個人の行う事業に対する事業税の課税標準は、当該年度の初日の属する年の前年中における個人の事業の所得による。(地方税法72条の49の7第1項)具体的には、「総収入金額-必要経費-個人事業税の事業専従者給与(控除)-事業主控除等」により求める。
法人の場合は、電気供給業・ガス供給業及び保険業では各事業年度の収入金額が、それ以外の事業では以下が課税標準となる。(地方税法72条の12)
固定資産税の場合、原則として、固定資産課税台帳に登録された不動産の価格(適正な時価)が課税標準額となる。(地方税法349条、349条の2)ただし、住宅用地などについて特例措置が適用される場合は、課税台帳に登録された額よりも低くなる。
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