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誘導型一酸化窒素合成酵素(ゆうどうがたいっさんかちっそごうせいこうそ、英: inducible nitric oxide synthase、略称: iNOS)または一酸化窒素合成酵素2(nitric oxide synthase 2、NOS2)は、ヒトではNOS2遺伝子にコードされる酵素である[5]。
NOS2遺伝子は17番染色体に位置する。この染色体のスミス・マゲニス症候群関連領域内には、NOD2に関連する3つの偽遺伝子が位置している。この遺伝子からは選択的スプライシングによって、異なるアイソフォームをコードする2つの転写バリアントが産生される[6]。
一酸化窒素は、神経伝達や抗微生物活性、抗腫瘍活性などいくつかの過程において、生物学的メディエーターとして作用する反応性フリーラジカルである[6]。多くのウイルス、細菌、真菌、寄生虫に対する免疫におけるマウスのNos2の機能は良く特徴づけられているが、ヒトでのNOS2の機能には未解明の部分や議論のある部分が多い[7]。Nos2はサイトメガロウイルス(CMV)に対する免疫防御に重要である[8]。
常染色体劣性型NOS2欠損症がマウスで報告されている。Nos2をコードする遺伝子を欠損したマウスは、マウスCMV感染に対する感受性が高い[11]。
2020年2月には、同じ常染色体劣性型のNOS2完全欠損症がヒトでも記載された。それまで健康であった51歳の人物が、進行性のCMV感染の29か月後にCMV肺炎、CMV脳炎、血球貪食性リンパ組織球症に続発した呼吸不全によって死亡した。血液試料中のゲノムDNAを用いた全ゲノムシーケンシングから、患者には5つの遺伝子にホモ接合型変異があることが判明した。唯一の機能喪失型変異は、NOS2のホモ接合型フレームシフト変異であった。この疾患は非常に稀で、100万人に1人以下の割合で発生する[8]。
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