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認定ファシリティマネジャー(にんていファシリティマネジャー、Certified Facility Manager of Japan)とは、ファシリティマネジャー資格試験に合格し、登録を受けた者の称号である。ファシリティマネジメントに必要な専門知識、能力を持つ事を証明する。単にファシリティマネジャー、又は認定ファシリティマネージャー、ファシリティマネージャーとも呼ばれる。
認定ファシリティマネジャー | |
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英名 | Certified Facility Manager of Japan |
略称 | ファシリティマネジャー・CFMJ・FM |
実施国 | 日本 |
資格種類 | 民間資格 |
分野 | 財務・経営・不動産 |
試験形式 | マークシート(多項選択式)・論述 |
認定団体 | 公益社団法人日本ファシリティマネジメント推進協会・一般社団法人ニューオフィス推進協議会・公益社団法人ロングライフビル推進協会 |
後援 | 経済産業省(旧 通商産業省)・国土交通省(旧 建設省) |
認定開始年月日 | 1997年(平成9年) |
公式サイト | 公益社団法人日本ファシリティマネジメント推進協会 |
ウィキプロジェクト 資格 ウィキポータル 資格 |
日本では、公益社団法人日本ファシリティマネジメント推進協会(JFMA)、一般社団法人ニューオフィス推進協議会(NOPA)、公益社団法人ロングライフビル推進協会(BELCA)の3団体が協力し、制度を実施している。
企業・団体等の組織体の全施設及び環境(ファシリティ)を経営的視点から総合的に企画・管理・活用する経営管理活動に関わる新たな専門家を育成、普及する事により、快適且つ機能的なファシリティを継続的に供給し、企業理念の具現化及び経営目標を達成し、且つ健全な社会資本の形成に貢献する事を目的として、1997年度から新たに「ファシリティマネジャー」資格制度がスタートした。
又、単に職能であるファシリティマネジャーについては本項、目次の1、4、5、6、7を参照。
本来、経営者は出資者から資金を預かって、ファシリティを経営資源として活用する責を負っている。FMは経営者のファシリティに対する経営責任を代行するマネジメントそのものである。
すなわち、ファシリティをいかに効率的に活用し、最大の効用をもたらすかということである。これに携わる者たちをファシリティマネジャーという。
例えば組織内のFM担当者、アウトソーサーのFM業務担当者、FMコンサルタント、CMやPMにおいてFM業務に携わる者などが考えられる。
一般的にマネジメント能力はマネジメントスキル(業務処理能力)、ヒューマンスキル(対人関係能力)、テクニカルスキル(技術的能力)の3つの能力からなると言われている。
FMという管理手法は、ファシリティマネジャーが自ら各種の業務を遂行するという性格ではなく、外部の多くの専門家、技術者の力を十分に活用することと、その実施に対する管理が中心である。例えるとオーケストラの指揮者的な存在である。FM戦略という楽譜に基づいて、楽団員、つまり多くの関係部門、外部の専門家たちにベストの能力を発揮してもらう。その為に、マネジメントスキルとヒューマンスキルの占める重要性は大きい。
一方、指揮者はここの楽器の演奏能力は求められないが、それぞれの実績を評価し、自己のFMに適合するチームワークを作るリーダーシップを求められる。一般的に言われているマネジメント、ヒューマン、テクニカルの3つのスキルを上げると以下のような能力があり、これらはそのままFMに適用できる。
国際ファシリティマネジメント協会(IFMA)のファシリティマネジャー認定制度(CFM)では、受験に際して全ての受験者は指定された「行動倫理規定」にサイン(同意)する事を義務づけされている。
これはファシリティマネジャーとして、企業活動の重要な業務を行う為の、また社会人としても重要な行動規範を義務づけており、益々国際的にも重要的な意味を持つ。ファシリティマネジャーとして参考にすべき規定である。
下記にCFMの行動倫理規定の全文を示す。
行動倫理規定 受験者は全員行動倫理規定(code of conduct)に署名し、これを遵守しなければならない。 行動倫理規定の本文は次の通りである: 1.私は、安全で人に優しく、かつ機能的なワークスペースを作り、管理する事を 最重要目標として掲げます。 2.私は、経営陣のニーズとワークプレイスで働く人々のニーズを統合して、人に優しく 効果的な就労環境を作り、管理します。 3.私は、客観的で専門的な判断を堅持する事を達成可能な目標として掲げます。 個人的な活動、金銭の受領、或いは利害の対立など、私の雇用者、顧客、あるいは 私がワークプレイスの提供と保全の役務を提供している人々の利益を損ねるような行動に よって判断を歪める事は決してしません。 4.私は、雇用者、従業員、及び顧客の権利を支援するべく職務を遂行します。 人種、性別、出自、年齢、あるいは国籍などを理由に差別する事は決してしません。 5.私は、物理的環境とそこで働く人々と業務プロセスの間の関係に留意し、設計、施工、維持保全、 および経営に関する専門職者としての技能を維持し更新する為に、常に新しい情報を追求します。
ファシリティマネジャーは、正社員であるか否かにかかわらずFMの業務に携わっているものであり、FMの部門長はFM部門の正社員、組織内関連部門のスタッフ、アウトソーサー、プロジェクトマネジャー、コンストラクションマネジャー、さらにコンサルタントなどのさまざまなプロフェッショナルを束ねて成果を出すことが求められる。
加えて遅れてスタートしたFMをグローバルレベルに引き上げる為に、FM部門長の強力なリーダーシップがより重要になる。
ひるまない決断力、強い責任感、敵を味方にする説得力、FMの目的・目標のために行動する勇気が求められる。
FM部門は、経営者から権限委譲され、必要事項について経営者の確認・承認を受けながら、プロジェクト管理の責任者として業務を遂行する。その役割には自らが業務を遂行するだけでなく、組織内の関連部門の協力を仰いだり、サービス提供者に委ねた業務の管理も含まれるファシリティマネジャーの役割としての主要な留意点を列記する。
利用者が接するのは、運営されている施設と運営にかかわるファシリティマネジャーである。利用者にはFMの戦略・計画は見えないし、プロジェクト計画中の施設は入居するまで縁が無い存在である。利用者といっても千差万別で、その立場やニーズは多様である。気難しい上級管理者や教職者たち、気に入らないと二度と来てくれない顧客、非効率な施設の為に生産性と競争力が低下していくワーカーたち。これらの多様な利用者の満足度や生産性を高めることが運営維持に関わるファシリティマネジャーの重要な役割である。
その為には、第一に利用者の多様なニーズを的確に理解し、ニーズに適切に対応するサービス精神やスチュワードシップが必要である。第二に、運営維持は建物・設備を対象とする定型業務が主体ではなく、人間相手の生々しい業務であると認識し、常に前向きに自己学習と自己改革を心がけることである。その積み重ねによって、ファシリティマネジャーは経営者から信頼できるパートナーとして認知されるようになる。それには、運営維持のベストの体制を形成することである。これが第三の条件である。
メンバーは組織の内外を問わず、専門性に優れているだけでなく、上記の第一、第二の条件を満たしていなければならない。加えて、何よりファシリティマネジメントを天職と信じている者の集まりであることが重要である。
サービスの業務を遂行するにあたっては、「サービスは利用者の為にある」という事を常に念頭に置かなければならない。ファシリティマネジャーの役割は「より高い品質のサービスを、より低いコストで利用者に提供する」ことである。
サービスの品質とコストが正しく釣り合うことが求められており、ファシリティマネジャーはそれを実施すると同時に、利用者に説明する責任がある。何故ならば潜在化または顕在化を問わず、コストは利用者に配賦され、請求される(課金:コストチャージアウト)ことになるからである。したがって、利用者がそのサービスを不要と判断した場合には、これを断ることも起こりうる。このように、サービスは基本的に利用者への社内課金を前提として計画される。
ファシリティマネジャーと利用者は、サービスの品質と価格に関する合意事項について事前に取り決める(SLA)。サービスの実施にあたっては、提供されるサービス品質の目標値である主な指標(KPI)を事前に定めておき、定期的(毎月1回など)に行う。ファシリティマネジャーの責務は、KPIやCSSの結果を元にSLAが満たされているかどうかを検証し、問題点を見つけ出しては改善を実施するサイクルを確立することである。
ここまでは利用者とファシリティマネジャーの関係を論じてきたが、利用者の意見は、ファシリティマネジャーの意見としてサービス提供者に伝えられる。言い換えれば、ファシリティマネジャーの役割とは、利用者とサービス提供者との間に立ち、サービス提供者が利用者にコストに見合った質の高いサービスを提供し、利用者が満足してコストを負担するような関係を確立・維持することである。
受験手数料は21,600円(消費税込)
午前
午後
合否判定は「学科試験」(①概論 18問程度、②業務 24問程度、③知識 18問程度の3教科 60問程度、合計 600点満点)及び「論述試験」(300点満点)の合計得点(900点満点)によって最終合格者を決定する。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
1997(平成9)年 | 2132人 |
981人 |
46.0% |
1998(平成10)年 | 1809人 |
753人 |
41.6% |
1999(平成11)年 | 1489人 |
640人 |
43.0% |
2000(平成12)年 | 1783人 |
895人 |
50.2% |
2001(平成13)年 | 2172人 |
861人 |
39.6% |
2002(平成14)年 | 2145人 |
927人 |
43.2% |
2003(平成15)年 | 2052人 |
824人 |
40.2% |
2004(平成16)年 | 1653人 |
684人 |
41.4% |
2005(平成17)年 | 1677人 |
683人 |
40.7% |
2006(平成18)年 | 1349人 |
555人 |
41.1% |
2007(平成19)年 | 1395人 |
540人 |
38.7% |
2008(平成20)年 | 1436人 |
635人 |
44.2% |
2009(平成21)年 | 1272人 |
510人 |
40.1% |
2010(平成22)年 | 1137人 |
490人 |
43.1% |
2011(平成23)年 | 1071人 |
471人 |
43.8% |
2012(平成24)年 | 1025人 |
450人 |
43.9% |
2013(平成25)年 | 1034人 |
450人 |
43.5% |
2014(平成26)年 | 1075人 |
472人 |
43.9% |
2015(平成27)年 | 1074人 |
473人 |
44.0% |
2016(平成28)年 | 1070人 |
470人 |
43.9% |
2017(平成29)年 | 1036人 |
455人 |
43.9% |
2018(平成30)年 | 937人 |
412人 |
44.0% |
試験に合格した者で、下記に掲げる学校のいずれかを卒業し、かつ、これに対応した年数以上の実務経験を有する者に限り、登録を受けることができる。なお、国籍、性別および学校における学部学科等は問わない。
ただし、次のいずれかに該当する者は登録を受けることができない。
試験合格後、下記に掲げる学校のいずれかを卒業し、かつ、これに対応した年数以上の実務経験を有する必要がある。
次に掲げるファシリティマネジメントの12業務の全部または一部を経験してきたことをいい、その経験の証明を必要とする。証明者は、原則として現在の職場の上司(管理職以上)または人事担当責任者とする。登録申請者が退職等で組織に属していない方や個人経営者などの場合の証明者は、元の職場の人事担当、同業者または取引相手等の第三者とする。また、登録申請者が転職等で職場を変わっている場合は、現在の職場の上司(管理職以上)または人事担当責任者が、以前の職場を含めて証明する必要がある。実務経験証明書の所定欄に証明者の署名、押印が必要となる。
ファシリティマネジメントの12業務
登録手続きは、合格証とともに送付する登録関係書類に基づき手続きを行う。登録申請には次の書類が必要。
登録手数料は10,800円(消費税込)
登録者には、ファシリティマネジャー登録証と認定ファシリティマネジャー(CFMJ)資格証が交付される。
ファシリティマネジャー資格制度では、認定ファシリティマネジャーの資格有効期間を5年と定めている。
更新講習は、更新登録を受けようとする資格者の者に、最近5年間の「ファシリティマネジメントを取り巻く環境の変化、法改正、技術進展等に伴う情報・知識」を提供し、ファシリティマネジャーとしての技能の向上を図ることを目的としている。
更新希望者は4つの方式のうち1つを選択して、受講することができる。更新講習は、距離や時間等に制約を受ける方々でも受講できるよう、また、日頃のFMに対する活動を評価するこ とができるよう、次のA~Dの4つの方式により行われている。A、BおよびC方式は、講習の形態をとってはいないが、上記のような趣旨から講習とみなしている。
日本国に於けるファシリティマネジメント・CRE戦略関連の資格制度としては認定ファシリティマネジャーや不動産証券化協会認定マスター、不動産戦略アドバイザー等が挙げられる。
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