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1666年に著された百科事典 ウィキペディアから
初版は20巻からなり、「天文」「地理」「居処」「人物」「身体」「衣服」「宝貨」「器用(4巻)」「畜獣」「禽鳥」「龍魚」「蟲介」「米穀」「菜蔬」「果蓏」「樹竹」「花草」から構成される。後に元禄8年(1695年)に出版された『頭書増補訓蒙図彙』では雑類を加えて21類としている。
最初の版では半葉を上下に分けて2枚の図を描き、その右に目(名前)を漢字で書いていた。漢字の横には仮名で音読みを記し、和名と漢文による説明をその下に記している。『頭書増補訓蒙図彙』では説明は絵の上に書かれ、日本語に変わっている。後世になると、複数の図をひとつにまとめて大きく描き、図の中に名称(漢字、音読み、和名)を書き、説明は上部に小さく書くようになった。
後世の同様の出版物に大きな影響を与えた類書であり[1]、江戸時代には『訓蒙図彙』の名をつけた『好色訓蒙図彙』(1686年)、『女用訓蒙図彙』(奥田松柏軒)、『人倫訓蒙図彙』(1690年)、『唐土訓蒙図彙』(平住専安、1719年)、『戯場訓蒙図彙』(式亭三馬、1803年)などの類書が多数あらわれた。
西洋人の中には『訓蒙図彙』を百科事典と称する者もいた[1]。Michel (2011)は、『訓蒙図彙』は抽象的事柄や著名な人物、歴史上の出来事には言及していないため、百科事典というのは過言ではあるとしているものの、1484もの植物や動物、人体、道具や衣服など幅広い事物を描写していると評価している[1]。ケンペルは『日本誌』の挿絵に『訓蒙図彙』を使用した[2]。
南方熊楠が7歳のころに『訓蒙図彙』を昼夜あきずに読んだという逸話があり[3]、『十二支考』でもしばしば『訓蒙図彙』を引いている。
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