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裏拳打ち(うらけんうち)は、空手、拳法などの格闘技、武道、武術で用いられる裏拳(正拳を裏返した形)を用いた攻撃である。突きの使えない至近距離や角度でも、肘のばねと手首の返しで素早く相手を打てる。裏拳、バックハンドブロー、バックフィストとも呼ばれる。
体を旋回させて打つものは、旋回裏拳、回転裏拳、旋回式バックブロー、スピニングバックフィスト、ピボットブローと呼ばれ裏拳打ちの一種であり相手の意表を衝く技である。
正拳突きと同じ握りで、手の甲を下向き(手のひらが上)の形(これを裏拳と呼ぶ)にして、拳頭の背部(手の甲側)もしくは手の甲の全体で攻撃する。なお、裏拳の拳頭の前面で相手に向かって真っ直ぐに突く技は裏突きと呼ぶ突き技で、裏拳打ちとは区別される。
肘から先を走らせてスナップをきかせて相手の顔面や頭部等に打ち込み、すぐに引き戻す動作が空手の基本である。決める際には、踏み出した足の膝をやや落としてウェートを乗せる。
裏拳打ちは正拳突きと異なり単独で使われるよりも本来は動きの流れの中で他の攻撃や受けと組み合わせて用いられる。
例えば、相手の正拳突きを掛け受けや押さえ受けで制しながら即時に残りの手で裏拳打ちを決める。あるいは回し蹴りや横蹴りの蹴り足を踏み込んで、その勢いで相手の顔面に裏拳打ちをする。また、空手の型の中には横蹴りと同時に蹴る側の上段に裏拳打ちを合わせるものがある。
しかし、頭部(上段)への裏拳打ちは素手・素足・素面を前提とした実際の試合、競技では当てれば殆ど反則になるためにあまり用いられない。寸止めの伝統派空手の組手試合では上段への攻撃でよく用いられる。足払いで相手を崩してからの上段への裏拳という連絡もよく用いられる。一方、防具やグローブを使用する試合・競技では正拳突きやパンチに比較して打撃力が劣るため回転裏拳(後述)以外はあまり使われないが反則としている格闘技は少ない。ただ、ボクシングではバックハンドブローと呼ばれ裏拳打ちは反則である。
裏拳には旋回して打つ旋回裏拳(回転裏拳、キックボクシング等ではバックハンドブロー、ボクシングでは、ピボットブロー)もあり、旋回の勢いで振り抜く技である。旋回裏拳はキックボクシングやプロレスなどで見られる。また、旋回裏拳は攻撃が不正確になり易い。裏拳は痛めやすいとして裏拳ではなく鉄槌(握り拳の小指側の底部)を用いる人もいる。ボクシングでは、ピボットブローは反則行為である。
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