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感和亭鬼武による読本 ウィキペディアから
『自来也説話』(じらいやものがたり)は、文化3年(1806年)に刊行された江戸時代の読本。作者は感和亭鬼武(かんわてい おにたけ)。前編五巻六冊、後編五巻五冊。
忍術をつかう義賊として活躍する主人公・「自来也」(じらいや)の物語である。忍び入った家屋敷の壁などに「自来也」(みづからきたるなり)と記していくことから、その名を持っている。
挿絵は蹄斎北馬によって描かれている。
「自来也」という名と、壁に文字を残してゆく行動は、中国の沈俶による『諧史』に記されている盗賊「我来也」(がらいや)を参考に翻案・創作されたものである[1]。
自来也の正体は、小笠原氏の末裔三好家浪士の尾形周馬寛行(おがた しゅうま ひろゆき)と設定されている。
忍術をつかい盗みを働く義賊・自来也は妙香山の異人(仙人)から学んだ蝦蟇の妖術を使って、西天艸(さいてんそう)のちからで不死身の身となった鹿野苑軍太夫(ろくやおん ぐんだゆう)に父を殺された武士勇侶吉郎(いさみ ともきちろう)の敵討を助太刀する。
文化4年(1807年)には大坂で歌舞伎に脚色されている。また「自来也」の名称は後年、合巻『児雷也豪傑譚』(天保10年(1839年)- 明治元年(1868年)刊行)に登場する主人公の名「児雷也」のもとになっており、「じらいや」という忍者の呼び名の元祖であると考えられている[1]。
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