脳静脈洞血栓症

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脳静脈洞血栓症

脳静脈洞血栓症(のうじょうみゃくどうけっせんしょう、: Cerebral venous sinus thrombosisCVST )は、からの血液を排出する硬膜静脈洞血栓が生じる疾患である[1]。症状には、頭痛、視覚異常、顔や手足などの体の片側の衰弱などの脳卒中の症状、けいれん発作英語版などがあげられる[2]。合併症には、クモ膜下出血があげられる[2]

概要 脳静脈洞血栓症, 別称 ...
脳静脈洞血栓症
別称 脳静脈洞血栓症、脳静脈血栓症、脳静脈および 脳静脈洞血栓症、(上)矢状静脈洞血栓症、頭蓋内静脈血栓症、脳血栓性静脈炎[1]
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脳静脈洞
概要
種類 急性、亜急性、慢性[2]
診療科 神経学
症状 頭痛、視覚異常、脳卒中の症状、発作など[2]
危険因子 血栓性素因避妊薬妊娠、頭頸部の感染症、血管炎、癌、脱水、肥満[2]
診断法 MRI, CTスキャン[2]
合併症 クモ膜下出血[2]
治療 ヘパリン低分子量ヘパリン低分子量もしくは未分画)[2]
予後 中度から重度の障害 12%[3]
頻度 比較的まれ[2]
死亡数・ 9.4%[3]
分類および外部参照情報
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リスク要因は、この疾患の85%程度の症例に存在しており、遺伝性血栓性素因避妊薬妊娠、頭頸部の感染症、血管炎、癌、脱水、肥満などがあげられる[2]。診断は通常は、コンピューター断層撮影(CTスキャン)または核磁気共鳴画像法(MRI)が用いられる[4]。最も一般的に関与する静脈洞は横静脈洞上矢状静脈洞であり、それぞれ86%と62%の症例に関与している[2]。症状の発症からの時間に基づいて、急性(48時間未満)、亜急性(48時間から1か月)、慢性(1か月を超える)の3つのタイプに分類される[2]。根本的な原因を特定するために検査が行われる場合がある[2]

治療には通常、抗凝固薬(血液凝固を抑制する薬)、主に低分子量ヘパリン(LMWH)または未分画ヘパリンが使用される[5][2]。一般的にLMWHが優先的に使用される[2]。通常、最初の発症から3〜12か月の間に治療される[2]。まれに、血栓溶解療法(血栓の酵素的破壊)が用いられる[2]。脳静脈洞血栓症は、頭蓋内圧の上昇によって悪化する可能性があり、アセタゾラミド腰椎穿刺シャントの外科的配置により治療される場合がある[2]。症例の最大3%は再発する可能性がある[2]

脳静脈洞血栓症は比較的まれな疾患である[2]。100万人あたり3人から40人が罹患する[2]。女性の罹患率は男性の約3倍である[2]。脳卒中を発症した人の1%は脳静脈洞血栓症を遠因とする[2]。死亡率は、罹患者の約9.4%である[3]。脳静脈洞血栓症の症状は、1825年にフランスの医師Ribesによって最初に記述された[6][7]

出典

関連項目

外部リンク

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