Remove ads
ウィキペディアから
単純X線撮影(たんじゅんエックスせんさつえい、Plain radiography)とは、投影X線撮影(Projectional radiography)とも知られ[1]、X線の照射により二次元X線撮影画像を得る医用イメージングである。一般的には診療放射線技師や放射線科医によって行われる。
単純X線撮影 | |
---|---|
治療法 | |
外傷患者の全身スキャン | |
ICD-10-PCS | B-0 |
ICD-9-CM | 87 |
OPS-301 code | 3-10...3-13 |
一般的なレントゲン撮影(roentgenography)とは、この単純X線撮影をさし、コンピュータ断層撮影(CT)と対比される。
胸部X線写真では、心臓、肺、肋骨、縦隔、気管、気管支、等が見える。
肺胞性陰影 | 間質性陰影 | |
---|---|---|
分布 | 区域性、多発性 | びまん性、撒布性 |
既存構造との関係 | 細葉、区域に一致 | 気管支、血管、リンパ管、小葉間隔壁に一致 |
辺縁 | 不明瞭 | 明瞭 |
融合性 | あり | なし |
変化 | 早い | 遅い |
心陰影(しんいんえい)は、心臓のX線写真像の事である。通常はPA像(後前像)で評価する。経過を見るだけならば、臥床しかできない患者ではAP像(前後像)を用いる場合もある。
心陰影の上側(頭側)は縦隔と連続していて、境界ははっきりしない。下側(尾側)は横隔膜と連続していてはっきりしない。右側は2つの膨らみからなり、上から順に右第1弓(みぎだいいっきゅう)、右第2弓(みぎだいにきゅう)という。左側は4つの膨らみからなり、上から順に左第1弓(ひだりだいいっきゅう)、左第2弓(ひだりだいにきゅう)、左第3弓(ひだりだいさんきゅう)、左第4弓(ひだりだいよんきゅう)という。
この節の加筆が望まれています。 |
配列、骨の状態(骨折、骨粗鬆症、骨萎縮、骨破壊、骨硬化、骨透亮、溶骨変化など)、脊柱管の狭窄、椎間板の狭小化、靭帯付着の変化、軟部組織の腫脹に注意する。正面像では脊柱配列とルシュカ関節の形状に注意する。脊柱配列では側湾変形や頚椎の傾きに関して評価する。正常では椎体外側に斜方向の関節裂隙がみえる。変形するとルシュカ関節辺縁から横方向へ伸びる骨棘が出現する。側面像では脊柱配列、椎体終板の骨硬化、椎体前縁または後縁の骨棘、脊柱管の前後径、椎間板腔の高さ、前縦靭帯や後縦靱帯の骨化、後咽頭腔幅や気管後腔幅の変化の有無を確認する。脊柱配列としては頚椎は生理的に前に湾曲しているため、生理的前湾の消失がないかS字型変形がないきあ、すべりがないかを確認する。脊柱管前後径は脊柱管の広さの指標であり正常は14mm以上である。後咽頭腔幅や気管後腔幅の変化は頚椎前方の膿瘍形成や外傷による血腫、浮腫によって拡大する。前後屈側面像では主に頚椎の安定を評価する。環軸歯突起間距離は関節リウマチや外傷で環軸椎亜脱臼を生じた場合に前屈位で開大する。正常は3mm以下である。また不安定性がある場合は前後屈時の上位椎体後下縁と下位椎弓前上縁を測定する。測定値が12mm以下ならば動的狭窄となる。両斜位像では椎間孔の狭小化を確認する。開口位正面像では歯突起骨折や環軸椎回旋位固定の時に撮影する。
配列、骨の状態(骨折、骨粗鬆症、骨萎縮、骨破壊、骨硬化、骨透亮、溶骨変化など)、脊柱管の狭窄、椎間板の狭小化、靭帯付着の変化、軟部組織の腫脹に注意する。正面像では側湾の有無、椎弓根の消失、椎弓根の骨硬化、横突起骨折、仙腸関節硬化像、腸腰筋の陰影増大などがある。椎弓根の消失は転移性腫瘍で認められ、椎弓根の骨硬化は転移性腫瘍、分離症、類骨腫などでみられる。横突起骨折は外傷時で仙腸関節硬化像は仙腸関節炎でみられる。腸腰筋の陰影増大は腸腰筋膿瘍、血腫などで認められる。側面像では脊柱配列、椎体圧迫骨折、骨梁像、椎間板腔の狭小化、椎体骨棘を評価する、脊柱配列では前弯増大、直線化、後弯変形、椎体すべりを評価する、椎体圧迫骨折や骨梁像は骨粗鬆症を示唆する。椎間板腔狭小化や椎体骨棘は椎間板変性所見である。前後屈側面像では椎間すべり、前屈時後方開大など腰椎不安定性の評価ができる。両斜位像では脊椎分離や椎間関節の変形が評価できる。その他重要な腰椎X線の所見としてはbamboo spineという強直性脊椎炎に特徴的な所見がある。これは靭帯の骨棘形成から二次的に隣接椎体が癒合し竹筒のようにみえることである。
胸椎から腰椎にかけて椎体は尾側にいくほど椎体の高さがすこしずつ大きくなる。一つ上位の椎体に比べて小さい場合は圧迫骨折を疑う。例外としては第5腰椎だけはしばしば第4腰椎よりも小さいことがある。
DXAまたはDEXAとよばれる骨密度測定法は2種類の異なるX線を骨にあてて、骨とほかの組織におけるX線の吸収率の差から骨密度を測定する方法である。骨密度の測定方法には他にもMD法、pQCT法、QUS法などいくつか知られているが、DXAは正確に骨密度を測定できる方法としてWHOの基準に組み込まれており、2017年現在、骨粗鬆症の標準的な診断方法となっている。骨塩定量ともいう。
関節、特に手のX線写真が関節炎を診療する膠原病領域でよく撮影される。関節のX線写真ではASBCDの順に読影を行う。Aはalignment(軸)、Sはsoft tissue(軟部組織)、Bはbone(骨)、Cはcartilage(軟骨)、Dはdistribution(分布)である。
主要疾患ごとの手のX線写真の所見をまとめる。これらの所見がなくとも疾患自体を否定することはできない。
怪我をして病院ないしは診療所に行くと外傷評価のためのX線撮影をされることがある。原則として骨折を疑った場合は2方向の撮影をする。多発外傷でルーチンで撮るべき頸部3方向(正面、側面、開口位)、胸部正面(立位)、骨盤正面(臥位)である。頸椎損傷を疑った場合は仰臥位のまま側面をとる。このとき両手を引っ張り肩を下げ、下位頚椎が撮影されるように工夫する。頭部を撮る場合(最近はCTscanで即時に脳と頭部の骨の骨折が診断できるので、頭部のX線写真は診療放射線技師の労力と時間の無駄であると思われる)は正面、側面、タウンの3方向の撮影をする。タウンを取らないと後頭部骨折を見落とす恐れがある。頭部側面は通常は腹臥位で首を横に捻じって撮影するものだが、頸椎損傷を疑った場合は仰臥位で横から撮らないと致命的となる。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.