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累犯障害者(るいはんしょうがいしゃ)は、山本譲司によるノンフィクション作品。2006年に新潮社より発行され、2009年に新潮文庫で文庫化された(ISBN 4101338728)。
刑務所内で懲役刑を受刑している障害者のケアを担当した山本が2005年と2006年に『新潮45』に発表した障害者による犯罪を取材した3篇を加筆修正して収録。さらに2篇を書き下ろし、序章と終章を追加した内容である。
同書では、下関駅放火事件やレッサーパンダ帽男殺人事件など障害者による事件、知的障害者が繰り返す軽微な事件や売春、暴力団が障害者を食い物にする事例、ろうあ者同士の犯罪、知的障害者の冤罪事件など、これまでメディアが及び腰になってあまり報道してこなかった障害者の一面が紹介されている。その上で山本は、障害者への福祉行政と刑務所と裁判での処遇には以下のような問題点があるとしている。
山本は本著で「彼らが加害者となったら当然罰せられるべきだが、その前に彼らは人生の大半を不遇なまま過ごして来た被害者でもある事を忘れるべきではない」「彼らに十分な福祉さえ行き届いていれば、防げた事例は幾らでもあった」と主張している。
田島良昭(社会福祉法人南高愛隣会理事長)らの調査結果によれば、刑務所に服役している知的障害者410人のうち、再犯者が7割を占める。一方で公的福祉を受けられる「療育手帳」所持者は26人しかいなかった。身元引受人は父母が20%、未定や不詳が47%を占める[1]。
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