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『紙人形春の囁き』(かみにんぎょうはるのささやき)は、1926年(大正15年)製作・公開、溝口健二監督による日本の長篇劇映画、現代劇のサイレント映画である。同監督の現存しない作品のひとつである[2]。日本映画データベースでの表記「紙人形の春の囁き」[3]は誤りである[2][4][5]。
関東大震災以前、日活向島撮影所で助監督であった時代に師事した田中栄三のオリジナル脚本を溝口健二が監督した作品である。田中栄三がかつて1922年(大正11年)に向島で監督し、「革新的映画」と呼ばれた『京屋襟店』の美術デザイナー・亀原嘉明が、当時向島のグラスステージに店舗のセットを設計・構築した[6]のと同様に、亀原は日活大将軍撮影所の大ステージに家を一軒構築した[5]。
本作は、1926年(大正15年)2月28日、日活本社の配給により浅草公園六区の三友館を皮切りに全国公開された[3][5]。同年のキネマ旬報ベストテンで第7位を獲得する評価を得[5]、山本嘉一の娘役で出演した梅村蓉子の出世作となった[4]。本作で「相撲取」役で出演している根岸東一郎は、2年後の1928年(昭和3年)、牧野省三が監督した『雷電』では、大関・雷電爲右エ門役で主演しており、同年、映画監督にもなった[7]。
本作の上映用プリント、ネガ原版等は、いずれも東京国立近代美術館フィルムセンターに所蔵されておらず[8]、いずれもマツダ映画社の「主な所蔵リスト」には掲載されていない[9]。現在、鑑賞することのできない作品である[2]。
クレジットおよびデータは日本映画データベースの本項参照[3]。
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