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『空飛ぶほうき』(そらとぶほうき、The Flying Sorceress、1956年1月27日)はトムとジェリーの作品のひとつ。
ジェリーとのドタバタの末に皿を壊したトムは奥様に𠮟られ、箒を持たされ掃除をさせられている。ウンザリしながらふと傍らのテーブルに目をやると、上に置かれていた新聞には「年配の女性が、旅のお供をしてくれる賢いネコを探しています」との広告が。
日ごろの生活に飽き飽きしていたトムはこれ幸いとばかりに家出を決め込む。早速載せられていた住所を尋ねるが、そこにあったのは見るも不気味なあばら屋敷。周囲は晴れていてもそこだけは雨が降っている。トムが恐る恐る押した呼び鈴は重々しく鳴り、その音に呼ばれて現れた「年配の女性」は箒に乗った魔女だった。彼女は使い魔としてのネコを求めていたのである。
まずは面接試験とばかりに魔女に連れられ、箒に載せられて散々もてあそばれるトム。一応「合格」との知らせを受けたが、庭にはトムの悪友ブッチを含む先代ネコたちの墓、与えられたベッドは棺桶……。
こんなところにはいられないと、空飛ぶ箒にまたがって逃げ出したトム。魔女以外の者でも、箒を使いこなすことは出来るらしい。たちまちトムはもとの家に帰りつくと、箒を操ってジェリーに仕返しをする。
満足したトムだが、箒はいつのまにか、トムを乗せたまま本来の主人の元へと帰り着いてしまった。箒を乗り逃げされた魔女は激怒し、「いい度胸してるじゃないか!そんなに乗りたいなら乗せてやる!」と、箒に術をかけて散々にトムを痛めつける。
トムが暴れまわる箒に必死になってしがみ付いていると、「いつまで寝てるのよ!ちゃんと掃除しなさい!」との奥様の声。目をあけると、そこは元の家だった。どうやら壊れた食器を掃除しているうちに、眠って夢を見ていたらしい。とりあえず一安心したトムは、面白半分に箒にまたがって横腹を蹴ってみる。
ありえないことに、たちまちのうちに箒はトムを乗せ、空高く舞い上がっていった。その有様をあきれながら眺めるジェリーと「目を離すと、すぐ飛び回るんだから」と言う奥様であった。
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