バラ類バラ群[1][2]あるいはバラ目群[3] (rosids) は顕花植物クレードの一つである。およそ16-20140[4]、70,000 が含まれ[5]被子植物の1/4以上の種を含む大きなクレードである[6]

概要 バラ類, 学名 ...
バラ類
分類APG, APG II, APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
学名
(なし)
英名
rosids
下位クレード

本文参照

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化石記録は白亜紀に遡る。分子時計からはアプチアン世-アルビアン世(およそ1億2500万年前から9960万年前)に出現したと推定されている[7][8]

名称

"rosids" は "Rosidae"(バラ亜綱)に由来する[9]。非公式の名称であり、分類階級は与えられていない。

バラ類の範囲については3つの異なった定義がある。ユキノシタ目ブドウ目を含めるとするもの[10]、含めないとするもの[11]、ブドウ目は含むが、ユキノシタ目は含めないとするもの (APG II) がある。

分類

バラ類はユキノシタ目とクレードを形成する[5][11]。これはPentapetalaeコア真正双子葉類からグンネラ目を除外したもの)を構成する6クレードの1つであり[12]、他の5クレードはベルベリドプシス目ナデシコ目ビワモドキ目ビャクダン目キク類である。

バラ類は、まずブドウ目と真正バラ類 (eurosids)に分けられる。真正バラ類は大きくマメ群 (Fabidae) とアオイ群 (Malvidae) に分けられ、マメ群は真正バラ類I (eurosid I) 、アオイ群は真正バラ類II (eurosid II) とも呼ばれる。

現在は17目と2の未所属科が含められている。かつてはマメ群は8目、アオイ群は4目とされていたが、2009年の研究でアオイ群の範囲が拡大され、8目が含まれるようになった。この広義のアオイ群は、統計的に強く支持されている(100%のブートストラップ確率)クレードである[5]

ブドウ目[13]・ハマビシ目[14]・クロッソソマ目[15]・ピクラムニア目[16]・フエルテア目[17]は最近設立された目である[11]

未所属科

アポダンテス科フア科はバラ類に含まれるが、所属する目は未確定である。

アポダンテス科は葉緑体を持たない寄生植物である。以前はウリ目とされていたこともあるが[11]、現在でも正確な系統的位置は不明である[18]。これは、植物の系統解析によく用いられる葉緑体遺伝子が偽遺伝子となっており、十分な系統情報が得られないためである。

フア科はマメ群のCOMクレードに含まれる。カタバミ目に含まれるという研究結果もあるが[19][20]、正確な位置は未だ定まっていない[5]

系統

この系統樹は Wang and co-authors (2009) に基づく[5]

ブドウ目 Vitales

真正バラ類 eurosids
マメ群 Fabidae

ハマビシ目 Zygophyllales

COMクレード

ニシキギ目 Celastrales

カタバミ目 Oxalidales

キントラノオ目 Malpighiales

窒素固定クレード

マメ目 Fabales

バラ目 Rosales

ブナ目 Fagales

ウリ目 Cucurbitales

アオイ群 Malvidae sensu lato
65%

フウロソウ目 Geraniales

フトモモ目 Myrtales

クロッソソマ目 Crossosomatales

ピクラムニア目 Picramniales

Malvidae sensu stricto

ムクロジ目 Sapindales

フエルテア目 Huerteales

アブラナ目 Brassicales

アオイ目 Malvales

窒素固定クレードには、フランキア属の放線菌と共生して根粒を作り、窒素固定を行う種が多数含まれる。

脚注

関連項目

外部リンク

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