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日本の漫画 ウィキペディアから
『真ゲッターロボ』(しん ゲッターロボ)とは、石川賢の漫画。ならびにそれをベースとしてバンダイビジュアルにより製作されたOVA。また、それらの作品に登場するスーパーロボットの名前。漫画『ゲッターロボ』シリーズ(ゲッターロボサーガ)の一作。
漫画『ゲッターロボ號』が初出だが、後にゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』に登場し、その関連書籍に漫画が掲載された。
本項は多種なメディア展開を行っており設定がそれぞれ異なっているため、各項目では他メディア設定なども補足して説明を記す。
原作:永井豪、作画:石川賢とダイナミックプロ。
ゲッターロボサーガの一つで、『ゲッターロボG』と『ゲッターロボ號』の間の空白を繋ぐ作品。漫画版『ゲッターロボ號』の作中で謎だった、竜馬がゲッターロボを降りた理由や早乙女研究所壊滅の真相が明かされた。この作品ではゲッターエンペラーという新たな存在も登場し、後の『ゲッターロボ アーク』や、その他のゲッターが登場する映像作品に影響を与えた。ゲームに登場する武装「ゲッターブラストキャノン」や「ゲッターレーザーキャノン」は、この作品で描かれたものを元としている。
突如、宇宙から巨大な隕石が飛来した。竜馬達はゲッター1やゲッタードラゴンで破壊を試みるが失敗し、隕石は地表へ激突する。その正体はかつて倒したはずの敵、百鬼帝国のブライ大帝であった。
ゲッターチームはブライ大帝に苦戦を強いられるが、早乙女博士が実験中の真ゲッターロボの使用を決断する。その圧倒的な力の前に敗れ去ったブライ大帝は、最後に「自分はゲッターに怨みを持つ何者かによって復活させられた」と言い残す。その後、ゲッタードラゴンの実験中にブライを操っていた敵が正体を現した。「遠い未来からゲッターを破壊しに来たのだ」と言う敵のギィムバグ軍曹によれば、未来の世界は宇宙は進化したゲッター軍団やゲッターの究極進化体ゲッターエンペラーによる、侵略と虐殺が行われているという。
この戦いでゲッタードラゴンに乗り込んだ弁慶は、暴走した機体と共に地中深くにもぐってしまう。早乙女博士もゲッタードラゴンを自分で掘り返そうとするが、次第にゲッターの力に取りつかれていった。まもなく、早乙女博士は研究室に一人こもり、滅ぼしたはずのゴールやブライと語り始めるなど、狂気へ足を踏み入れていく。
ゲッターの未来を目の前にして、あえて対峙せず己の人生を全うしようとする竜馬と、むしろ人間としてその飽くなき好奇心をゲッター線の解明に捧げようとする隼人は、お互いの道が違うものになったことを実感するが、多くの戦いを乗り越えてきた2人の友情に変わりはなかった。
一方、地中深くもぐったゲッタードラゴンは繭を作り、その中でゲッター核分裂を起こしながら進化していた。そして、再び現われた敵との死闘の末、地中から進化後の姿で出現した真ゲッタードラゴンにより敵は撃退できたが、早乙女研究所は壊滅して早乙女博士ら所内の人々は行方不明となり、竜馬と隼人だけが生き残った。
もとは双葉社のスーパーロボット大戦シリーズのアンソロジー本『スーパーロボット大戦コミック』シリーズに、1996年から1999年にかけて掲載されていた。
本作は『ゲッターロボ號』以降に執筆されたため、『號』執筆時点での記述と矛盾する箇所が散見される。本作最終章「進化の果て」にて描かれた早乙女研究所の壊滅は『號』における15年前の悲劇に相当すると思われるが、同作内における神隼人の供述並びにその回想画面と、本作の終了状態が異なる点を以下列挙する。
「真ゲッターロボ」の名を冠する作品は、2作バンダイビジュアルよりリリース(以下の他にも「真ゲッター」の名を冠していない作品として『新ゲッターロボ』が発表されている)。いずれの作品も、TVアニメ版のイメージよりも漫画版のテイストを前面に押し出している。また、設定に関してもTVアニメ版、漫画版のものをモチーフにしたオリジナルの物語として再構築された世界観であるため、それぞれ独立・完結したものとなっている。
真ゲッターロボに関する設定は複雑なため、作品別に分けて表記する。また、作品ごとに使用する武器やデザインなどに多少の違いがある。
本作における設定は、ゲッター線の力を最大限に引き出すことを目的とした機体として早乙女博士が開発したゲッターロボ。系統的にはゲッターロボGの後継機で、3代目に当たる。
その能力はゲッターロボGですらも軽く凌駕するが、宇宙から降り注ぐゲッター線だけでは100%の性能を引き出すのに必要なエネルギーを充填するのに3年かかるため、ゲッタードラゴンをエネルギー増幅炉として使用しなければならなかったが、それでも50%までしか充填できなかった。漫画『ゲッターロボ號』では物語後半に真ゲッターロボが登場し、物語を完結させる。
なお、作品としては漫画『ゲッターロボ號』の方が先に発表されているが、作品内の時系列では後の話であり、號において真ゲッターロボが登場するシーンは、近年の単行本では多少修正されている。また、初登場時はゲッター線を使用していないゲッターロボ號と対比させて「本当のゲッターロボ」と呼ばれており、一文字號が隼人の命を受けて竜馬を呼び戻しに行った際には「新ゲッター」と呼んでいたが、後に真ゲッターロボが正式名称となり、號のセリフもゲッターロボサーガでは「真ゲッター」に修正されている。
漫画『ゲッターロボ號』で登場した際は、真ゲッター1の上半身から真ゲッター2の上半身をモーフィングによる変形をしていたが、漫画『真ゲッターロボ』ではそれまでのゲッターロボと同様に3機のゲットマシンが合体するシステムであったことが明かされた(作中の時間軸で15年近くの差があるので、その間に進化した)。
武装はゲッターロボ・ゲッターロボGと同様にゲッタートマホーク、ゲッタービームを装備。パイロットの意思が非常に強いものであれば広範囲を消滅させるゲッター線の光球ストナーサンシャインを放つことも可能。飛行速度は亜光速-超光速まで加速する。また、作中でゲッタートマホークはゲッター1のトマホークの柄を伸ばしたような、片刃で先がイボつきのタイプだったが、途中から両刃で柄が長く先が槍状のタイプへと形状が変わった。
なお、『ゲッターロボ號』で初登場した際はゲッターウイングの形状がゲッター1同様にマント型だったが、途中でコウモリの翼のような形状に変わっている。
ゲッター線による攻撃は単純に相手を消滅させているのではなく、宇宙を創造している根源であるゲッターエネルギーとして一つになって取り込んでいることがゲッター自身によって語られている。本編中では天国や地獄の概念とされる世界も含む全次元、全時空間全てが内包されている世界で、その全てを支配するゲッターは「全にして個、個にして全」という真理を顕在化した存在であるため、生と死を含めた様々な事象の循環した世界の機構としての存在意義を示している。
そのため、精神のみゲッターと同一化したものや、直接的に肉体全てが吸収されたもの、生物の概念で言えば死亡したものなどが存在したが、竜馬や號のように真ゲッターに搭乗し、真理に辿り着いたものはあらゆる存在とのコンタクトも可能になっていた。また、真ゲッターロボと同化途中の剴との対話から、これから起こり得る事象なども全て知覚することが可能になるという。
これらの事象は全て真ゲッターロボと関連して発生しており、ゲッターロボやゲッターロボGなどには起こらなかったが、ゲッターエネルギーそのものは同一のものであるため、帝王ゴールやブライ大帝などシリーズ初期に死亡した人物が、死後ゲッターと一つになったことが明らかになっていた。なお、この設定は漫画版でのみである。
本作における設定は、真ドラゴン護衛用として1機のみ製造されたものというものである。
13年前に発生した早乙女博士の復活時に発射された重陽子ミサイル落着を阻止すべく、流竜馬、神隼人、ゴウが搭乗して宇宙へ上がったが、スティンガーとコーウェンに妨害され、ミサイルは研究所に落着。地球はゲッター線で汚染され、周囲一帯は壊滅。衝撃により真ゲッターもゲットマシンに分離してしまい、竜馬だけは13年後の世界に飛ばされてしまう。13年後、研究所跡にゴウと共に姿を現し、そこに迷い込んだケイと車弁慶も乗せてインベーダーとの本格的な戦いを開始した。弁慶負傷後はガイが搭乗し、3代目ゲッターチームが結成された。太平洋での決戦以降は2代目ゲッターチームである竜馬、隼人、弁慶の3名が搭乗した。
性能は全般的に高いが圧倒的とまでは言えない。早乙女ら初代ゲッターチームの駆るメタルビースト・ゲッターロボGとはほぼ互角。作中終盤に出現した巨大インベーダー軍団の前には苦戦を強いられた。
劇中ではインベーダーの締め付け攻撃により何度も装甲が破壊されており、その度にコクピット内も小規模の爆発などが起こり、パイロットが負傷していることからあまり強度は高くない。
宇宙空間で使用したゲッタービームは周囲にゲッター線が満ちていることもあって、一撃で大量のインベーダーを粉砕するほど強力だが、その分炉心臨界の関係でチャージ時間が設定されており連発は出来ない。
最終話では、真ドラゴンとの連携による攻撃「ファイナルゲッタービーム」「ファイナルゲッタートマホーク」[1]を繰り出し、木星の衛星ごとインベーダーを殲滅した。しかしその余波で真ゲッターも両腕を失うなど多大なダメージを受ける。その後発動した最終兵器「真シャインスパーク」のエネルギー増幅炉となるも、ボロボロの真ゲッターでは真シャインスパークのエネルギーには耐えきれず、光の中で徐々に崩壊していく。その光の中、竜馬達はある目的に気づき、真ゲッターとともに時の狭間に旅立っていった。
本作では、変形すると真ゲッターロボの色が変わるようになっており、真ゲッター1は赤、真ゲッター2は白、真ゲッター3は黄系統のカラーリングとなる。また、『第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇』では、真ゲッター3に巴武蔵が搭乗。
武装
全高55m、重量220t。
本作における真ゲッターロボはゲッターロボの後継機として開発が進められていたという設定。
本来、ニューヨークにおける恐竜帝国との決戦に投入されるはずだったが、起動に失敗。ゲッターロボは単騎奮戦していたパイロットの武蔵もろとも自爆し、恐竜帝国とニューヨークを同時に壊滅させる。とはいえ、ニューヨークを壊滅させた社会的影響は多大で、その結果として国際社会からゲッター線開発停止の圧力がかかり、それに屈した日本政府により封印されていた。恐竜帝国の再来に際し、人類最後の切り札として封印を解かれ、一文字號の気合で遂に起動。早乙女研究所内で多数のプロトゲッターを相手に戦い大破したネオゲッターロボに代わり、対恐竜帝国用に戦線投入された。
その能力は高く、バット将軍やガリレイ長官を苦もなく倒す絶大な戦闘能力を誇る。しかし、最終決戦において巨大化したゴールには手も足も出ず、あわや撃破寸前にまで追い込まれたが、神ゲッターロボと呼ばれる形態に進化したことで形勢が逆転。ゴールの攻撃をまったく受け付けず、逆に相手を瞬殺する恐るべき本領を発揮している。なお、神ゲッターロボは「石川賢画集(1)闘神」に掲載されている「蒼のゲッター1」がデザインモチーフになっている。
小説版では封印されたことになっているが、実際は臨戦態勢のままにされている。5年前の恐竜帝国との最終決戦で武蔵がゲッター炉心を暴走させたその瞬間や、ネオゲッターロボとメカザウルス・ゲラとの戦闘時に、炉心に火が入りそうになっている。ネオゲッターロボが大破した際、自動操縦で早乙女研究所から発進しアラスカ戦線に参加した。何らかの意志が持つ描写がされている。
その能力はやはり凄まじく、最小出力のゲッタービームでもネオゲッターのゲッタービームキャリアによるゲッタービームでは比較にならない高威力を誇る。
武装
小説『スーパーロボット大戦』(作:団龍彦)の真ゲッターロボは、現代より先の未来で早乙女博士が臨界点を超えたゲッター線にも耐えうるロボットとして開発したものである。しかし、実験は失敗。早乙女博士達は死亡し、残ったボディをパリアッチョ(あしゅら男爵)が回収し、遠い未来の世界において現代から時を越えて現れた竜馬達のゲッターロボGと対決した。パイロットはクローンの武蔵3人だが、真ゲッターの力で姿が変わってしまっていた。竜馬達のゲッターGを圧倒したものの、最後はシャインスパークの直撃を喰らって破壊される。
ゲーム「スーパーロボット大戦シリーズ」は、ゲッターロボをはじめ、多くのロボット作品が登場するゲームソフトのシリーズ。
1995年の『第4次スーパーロボット大戦』以降、ゲームの進行とともにアニメ版ゲッターロボGのさらなる後継機として真ゲッターロボが登場する。真ゲッター2の下半身と真ゲッター3はこのゲームのために描き下ろされた[4]。『真ゲッターロボ(原作漫画版)』出典の機体として登場する場合の設定は様々で、ゲームだけのオリジナル設定で登場すること(旧シリーズの真ゲッターは旧ゲッターが暴走した高出力のゲッター線を浴びて変化している)もあれば、ゲッター線暴走の産物になることもあったり、敵に渡って利用されたりもする。
真ゲッターロボを含む各種ゲッターロボとゲッターロボ號に登場した各国のスーパーロボット(とテキサスマック)によるゲッターロボ世界を舞台にしたシミュレーションRPG。
なお、ゲーム終盤に登場するゲームオリジナルの真ゲッタードラゴンの設定は原作漫画版に近く、大量のゲッター線を浴びたゲッターロボGが繭を作り進化した姿となっている。この真ゲッタードラゴンは通常の合体変形こそ行わないものの、体の一部をモーフィング変形させてドリルやストロングミサイルといった他形態の武器を使用していた。
ゲーム特有のシステムとしては、マップクリアごとのインターミッションでゲッターロボ合体シミュレーションに合格しないと、ゲッターロボGや真ゲッターロボに搭乗できないというもので訓練機はモノトーンの真ゲッターロボとなる。
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