球面座標 (r,θ,φ) での位置ベクトル x の偏微分により
を定義する。
標準基底 ex , ey , ez を用いれば、位置ベクトルの微分は
となるので、具体的に
で表される。
標準内積を考えれば
となり、これらは正規直交基底である。
また3次元空間においてはベクトル積を考えることができて、球面座標の単位ベクトル間のベクトル積は
となる。したがって、球面座標は r,θ,φ の順番で向き付けられた座標である。
曲面上の点が u, v でパラメータ付けされるとき、面積素ベクトルは
で与えられる。
任意のベクトル場 A は
によって成分表示される。
ベクトル場の球面座標による微分は
で与えられる。
スカラー場の勾配
スカラー場 f(x) の勾配は
で定義されるベクトル場である。球面座標で表した位置ベクトルの微分が
であることから、球面座標系でのスカラー場 f の勾配は
となる。ベクトル微分演算子を
で定めれば
と書ける。
ベクトル場の発散
ベクトル場 A の発散は
で定義されるスカラー場である。球座標で表した体積素と面積素を用いれば
となるので、球面座標系でのベクトル場の発散として
が得られる。
ベクトル微分演算子を用いれば
と書ける。
ベクトル場の回転
ベクトル場 A の回転は
で定義されるベクトル場である。
球座標の面積素と線素を用いれば
となるので、球面座標系でのベクトル場の回転として
が得られる。
ベクトル微分演算子を用いれば
となる。