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「人間の生み出した文化」もしくは「人間そのものとしての在り方」についての教育・研究を行う学部 ウィキペディアから
文学部(ぶんがくぶ)あるいは人文学部は、「人間の生み出した文化」もしくは「人間そのものとしての在り方」についての教育・研究を行う学部である。学位は主に学士(文学)など。
文学部では「人間が作り出してきた文化について、地域や時代、領域を超えて研究対象を探索し、さまざまな方法を用いて研究」する[1]。多様な人文科学領域を対象とし、現地調査やフィールドワークを行う分野もある[1]。いずれの分野にせよ、共通して「人間とは何か」「この世界にはどのような意味があるのか」といったテーマに取り組んでいる[1]。文学部の学生は、自分が学びたいことを自覚して入学する学生が多いとされる[2]。
文学部には明治以来、「哲学・史学・文学」の三つの分野を柱にした学科が置かれてきた[3]。哲学分野には教育学、心理学、社会学などの学科があり、史学には日本史、東洋史、西洋史、考古学など、文学には国文学(日本文学)、英米文学、ドイツ文学、フランス文学、中国文学などの学科がある[4]。これら独立性の高い多くの学科が並存するというのが、文学部の一般的な姿である[3]。
現在では、主に思想・歴史・言語文化・行動科学の4領域を扱い[要出典]、下記のような分野を専攻できる。ただし、実際の教育及び研究領域は、大学により大きく異なる。
2005年に上智大学が文学部から一部専攻を独立させ「総合人間科学部」を設立した例に見られるように、近年は行動科学系の分野は別個の学部として設置されることが多い[注釈 1]。また宗教学も文学部内で研究・教育されることが多いが[注釈 2]、単独の学部として設置されたり、学部として独立する例も多い[要検証]。國學院大學は、創立120周年を際に、文学部神道学科を「神道文化学部」として改組拡充して開設した[5]。
社会の変化に伴ってそれぞれの学問分野で扱う領域が拡大し、従来の学科の枠を超える研究が盛んに行われるようになり、創作を志したり、演劇や映像の分野を志向する者も増えている[3]。それらの課題に対応する形で、以下の動きが活発になってきた[3]。
文学部の学びを通じて、論理的な思考力や語学力、コミュニケーションスキル、人間と社会について深く理解する力などが養われる[1]。「文学部は就職に不利」というイメージもあるが、就活において文学部が極端に不利になる状況はない[2]。法政大学の場合、2011年度の文学部の就職率は他の文系学部と比べても遜色がなかった[2]。
通学生と比較して学費が安くなっている。Eラーニングとスクーリングを併用する教育制度を設けている。スマートフォンによるオンライン学習に特徴がある。
文理学部とは、文と理の融合を特色とした学部を指す[7]。国立大学では1949年5月31日に国立大学設置法に基づき設置された新制大学69校中、弘前、山形、茨城、埼玉、富山、信州、静岡、神戸、愛媛、高知、島根、山口、佐賀、鹿児島(以上、発足時)、千葉(1950年4月に学芸学部が教育学部と文理学部分離により設置)の計15大学に設置された。千葉大を除き、戦前期、所在県に旧制高等学校が設置されていた大学であり、職業教育よりも一般教育を主とするリベラルアーツカレッジを目指す米国民間情報教育局(CIE)の意向により設置された。しかし理念的な教育目的の齟齬(教員養成の色が濃く教育学部と重複する、同時に受け持つ一般教育の負担過重)、異なる専門領域の混在の問題から1960年代より理学部、教養部などを分離する改組が進められ1978年の山口大学、島根大学の改組を持って全廃された[8]。公立大学では横浜市立大学に1952年から1995年まで設置されていた。また、私立大学では東京女子大学に1961年から2016年まで設置されていた。現在は日本大学にのみ設置されている。なお、福岡女子大学には国際文理学部が設置されている。
法文学部とは法律学・政治学・経済学などの社会科学、文学・歴史学・哲学・言語学・社会学・心理学・地理学・考古学等の人文科学の学問領域を含む文系総合学部である。
大正8(1919)年第41回帝国議会で東北帝国大学に法学部を設置する議案が通過したが、その後の貴族院での付帯決議で「法律に偏せず広く人文系の学科を取り入れ、調和のとれた円満な知識人の養成を希望する」とされたことを受けての原敬内閣での法文学部設置となった。九州帝国大学、京城帝国大学へも設置されていた。
戦後、旧制大学の法文学部をモデルに旧制高等学校を母体として新制大学に設置が進んだ(文理学部の解体)。国立大学としては鹿児島大学、愛媛大学、島根大学の3校が現存する[8]。
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