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高価なものを与えようとも、それがその与えられた者にとっては価値が分からないようでは、何の意味もないようなことを意味する[1]。
例えば有名な画家が描いた100万円の絵画があったとしても、その画家を知らなかったり絵画に興味がない人にとっては100万円も価値が有ると感じることは無い。このように分からない人にとっては100万円の絵画は役には立たず、このような状況を猫に小判と表現する[2]。
他の動物ではなく猫が選ばれたのは、猫は興味のないものには関心を示さない性格であるからという説がある[2]。
犬に小判という言葉もあり、猫に小判と同じような意味で用いられている[3]。
1687年に書かれた『評判記野良立役舞台大鏡』で、水嶋四郎兵衛という人物が珍紛漢の絶句律詩を綴って子細をこね回したところ、猫に小判を見せたようになって良いのかどうか分からなくなったようなことが書かれている[1]。
江戸時代の中期には「猫に小判を見せたよう」という形でこの言葉が用いられていたが、後に猫に小判と簡潔にして用いられるようになっている[1]。
江戸時代の後期には、上方のいろはかるたに猫に小判が採用され、このことから猫に小判は更に広く知られるようになる[1]。
小判が姿を消した時代になってからも、この言葉は広く用いられている[1]。
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