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『犯罪都市 PUNISHMENT』(はんざいとし パニッシュメント、朝鮮語原題:범죄도시4、英題:The Roundup: Punishment)は、2024年に制作・公開された韓国の刑事アクション映画。マ・ドンソクが主役の「マ・ソクト刑事」を演じる韓国の人気シリーズ『犯罪都市』の4作目となる。本作で監督を務めるのは、本シリーズの第1作から一貫してアクション監督(武術監督)を担当したホ・ミョンヘンである[1]。
犯罪都市 PUNISHMENT | |
---|---|
범죄도시4 | |
原題表記 | |
ハングル | 범죄도시4 |
漢字 | 犯罪都市4 |
RR式 | Beomjoedosi4 |
MR式 | Pŏmchoe tosi4 |
英題 | THE ROUNDUP:PUNISHMENT |
各種情報 | |
監督 | ホ・ミョンヘン |
脚本 | オ・ソンホ |
製作 | キム・ホンベク |
出演者 | |
音楽 | ユン・イルサン |
撮影 | イ・ソンジェ |
編集 | キム・ソンミン |
製作会社 |
Avio Entertainment プラスエムエンターテイメント |
配給 |
プラスエムエンターテイメント ハピネットファントム・スタジオ |
公開日 |
2024年4月24日(ベルリン映画祭で2024年2月23日に先行上映) 2024年9月27日 |
上映時間 | 109分 |
製作国 | 韓国 |
言語 | 韓国語 |
前作 | 犯罪都市 NO WAY OUT |
本作はベルリン国際映画祭のベルリナーレ・スペシャル部門に招待され[2]、2024年2月にドイツ・ベルリンの映画祭会場で先行上映された。韓国では同年4月24日に公開され[1]、日本では同年9月27日に公開された[3]。本作は、日本語吹替版と4DX版も同時上映されている[4]。
敵役がグローバルに設定される本シリーズでは、1作目の朝鮮族チャイニーズマフィア、2作目のベトナムの韓国人凶悪殺人犯、3作目の日本の暴力団に続き、4作目となる本作では、韓国とフィリピンの2か国を股にかけて悪事を働く違法オンラインカジノ組織の凶悪なリーダーと、組織のオーナーで黒幕の韓国IT企業CEOがダブルヴィランとして登場する。
本作も、これまでの本シリーズと同様に、実際に韓国で発生した事件をストーリーのモチーフに据えている。今回のモチーフは、韓国のプログラマーが、タイに拠点を置く韓国の違法オンラインカジノ組織に監禁殺害された2015年の事件である[5]。
前作『犯罪都市 NO WAY OUT』の事件解決から3年後の2018年。ソウル地方警察庁広域捜査隊の「怪物刑事」マ・ソクトは、麻薬密売事件の捜査の過程で、麻薬取引用のアプリ開発に携わった可能性のあるプログラマー、チョ・ソンジェと、大規模な違法オンラインカジノ組織「皇帝カジノ」の存在を突き止める。
警察はチョ・ソンジェを麻薬取引アプリ開発容疑で指名手配したが、その後の捜査で、麻薬取引アプリはソンジェが過去に作成・公開したオープンソースをベースに開発されていたことがわかり、麻薬密売事件におけるソンジェの無実が証明された。
チョ・ソンジェは就職後、フィリピンの「皇帝カジノ」の施設内に監禁され、組織からオンラインカジノ関連のプログラム作成とシステムの運用を強要されていた。組織から逃げ出そうとしたソンジェは凄惨な暴行を受け、冷酷非道な「皇帝カジノ」のリーダー、ペク・チャンギにより、ナイフで惨殺された。
ソンジェの遺体は、フィリピンから韓国の国立科学捜査研究院に搬送され、司法解剖された。ソンジェの母はマ・ソクトら韓国警察の刑事とともに医師から検死結果の説明を受けるが。息子の無残な死によって大きな精神的ショックを受けたソンジェの母親は自死してしまう。マ・ソクトは、ソンジェを惨殺した犯人を見つけ出すことをソンジェの母の位牌の前で誓った。
広域捜査隊はサイバー捜査隊と連携して捜査を開始するが、「皇帝カジノ」のサーバーは海外に置かれており、運営者も表に一切現れないため、その正体が全くつかめない。そこで、マ・ソクトは奇抜な捜査手法を思いつく。既に解散した朝鮮族マフィア「イス組」[注釈 1]の元ボスで、現在はソウルでゲームセンターを経営しているチャン・イスの協力を仰ぐことにしたのである[注釈 2]。
チャン・イスはかつてオンラインカジノ事業に参入しようとしたが[注釈 3]、「皇帝カジノ」によってフィリピンのスタジオを破壊されていた。韓国のオンラインカジノは複数の店名と電話番号が存在するものの、実質的には「皇帝カジノ」グループが運営を独占しており、ライバル業者が出てくると暴力によって潰すことをチャン・イスはマ・ソクトら警察のメンバーに教える。そして、チャン・イスとサイバー捜査隊の女性捜査官ハン・ジスが広域捜査隊と協力してソウルの夜の街に潜入捜査を行い「皇帝カジノ」への接触を試みるが、失敗してしまう。その際、チェ・ユソンという男が「皇帝カジノ」の集客とマネーロンダリングを担当していることが捜査の過程で判明した。
「皇帝カジノ」の黒幕であるオーナーは、韓国IT企業「QMホールディングス」CEOの「ITの天才」チャン・ドンチョルであった。チャン・ドンチョルは、ペク・チャンギを「皇帝カジノ」実働部隊の暴力装置として使い荒稼ぎする一方で、仮想暗号通貨事業の新規上場をもくろんでいたため、ペク・チャンギが求める「皇帝カジノ」の顧客増加[注釈 4]に応じた配当金の支払いを渋っていた。チャン・ドンチョルの態度に不信感を抱いたペク・チャンギは、右腕のチョ・ジフンとともにフィリピンから韓国に急遽帰国する。
広域捜査隊の捜査によってチェ・ユソンは逮捕されるが、ソイル警察署[注釈 5]に侵入した何者かによって弁護士接見前の空き時間に刺殺される。防犯カメラなどの解析結果により、ペク・チャンギがチェ・ユソンを殺害した犯人であることが判明。サイバー捜査隊の捜査により、ペク・チャンギとチョ・ジフンはいずれも、過去の残虐行為により韓国軍特殊部隊を解雇されており、その前後に「皇帝カジノ」がオープンしていたことも判明した。
ソウル地方警察庁のイ・サンヨン次長は広域捜査隊が犯人を捕まえられない上に、重要証人だったチェ・ユソンまで警察署内で殺害されたことに激怒。広域捜査隊を捜査チームから外そうとするが、上司のクォン・イリョン長官から「犯罪は時として法律の先を行く」と諭され、広域捜査隊はこの事件の捜査を継続することが可能となった。
マ・ソクトと広域捜査隊長のチャン・テスは、今回の事件で大量の逮捕者が出ることを想定。作戦を練り直し、チャン・イスのアドバイスを得て、さらに奇抜な捜査方法を思いつく。架空のオンラインカジノスタジオをフィリピンに設置。マ・ソクトの相棒のキム・マンジェ刑事が率いる広域捜査隊のメンバーとチャン・イスがフィリピン現地に入り、オンラインカジノスタジオの運営を始める。そして、オンラインカジノシステムの運営は韓国のソイル警察署内でサイバー捜査隊が担当する。これは、「皇帝カジノ」のライバルつぶしの卑劣な手口を逆手に取って、通常は一切表に出てこない「皇帝カジノ」の構成員をおびき出すことが目的であった。また、フィリピン現地での犯人検挙に備えて広域捜査隊のメンバーとフィリピン国家警察が連携した。
一方、チャン・ドンチョルは、邪魔者になったペク・チャンギを消すため、韓国マフィア組織のボス、クォン社長ことクォン・テウンと連携を図る。チャン・ドンチョルの意を汲んだクォン社長は、自ら率いるマフィアの集団とともにペク・チャンギとチョ・ジフンを襲撃するが、逆襲されて自らの手下が全員殺害される。残虐かつ凶悪なペク・チャンギらの脅しに恐れをなしたクォン社長は、チャン・ドンチョルを裏切ることを決意する。その後、チャン・ドンチョルはクォン社長から拳銃を入手してペク・チャンギを射殺しようとするが、拳銃に弾は入っておらず、ペク・チャンギの返り討ちに遭って致命傷を負い、裏切ったクォン社長によって止めを刺される。
そして、クォン社長はペク・チャンギらとともにQMホールディングスの関連施設に侵入し、ペク・チャンギらは金庫から「皇帝カジノ」のオンラインカジノシステム一式が入ったハードディスクを、クォン社長らは現金を盗み出した。
サイバー捜査隊の解析により、「皇帝カジノ」のサーバーのIPアドレスをQMホールディングスが保有していたことが判明する。マ・ソクトら広域捜査隊のメンバーはQMホールディングス関連施設の家宅捜索に入り、現場にいたクォン社長一味を取り押さえたものの、肝心のペク・チャンギとチョ・ジフンの姿は、そこにはなかった。
拘束したクォン社長の証言により、ペク・チャンギとチョ・ジフンは、偽造パスポートを使って韓国から出国し、飛行機でインチョン国際空港からフィリピンに高飛びしようとしていることが判明。マ・ソクトは、イ・ソンジェとその母の無念を晴らすため単身でインチョン国際空港に乗り込み、ペク・チャンギとチョ・ジフンとの熾烈な闘いに挑む。
※括弧内は日本語吹替[6]
広域捜査隊のメンバーは全員、前作『犯罪都市 NO WAY OUT』からの引き継ぎである。
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