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『災厄の町』(さいやくのまち、Calamity Town )は、1942年に発表されたエラリイ・クイーンの長編推理小説。
エラリイ・クイーンがライツヴィルで借りた家具付き住宅は、町一番の旧家で地元銀行の頭取が、次女のノーラの結婚祝いとして、自宅の隣に立ててやった家だった。ところが、そのノーラの結婚相手、ジム・ヘイトは、結婚式の前日に姿を消して三年。ところが、そのジム・ヘイトが突然、故郷ライツヴィルに戻ってきた。その一週間後、8月31日に彼は、その帰りを待ち、独身でいた許婚のノーラと結婚し、二人は夫婦となった。そんなある日、ノーラと三女のパットはジムの書斎の準備中、夫の読みかけの本の間に、夫が書いたと思われる未投函の古ぼけた封筒を発見する。ノーラはその手紙を隠したが、エラリイとパットはそれを発見する。日付は、11月28日、12月25日、1月1日、宛名は、ミス・ローズマリー・ヘイト、彼の姉である。そこには妻の病状が悪化と、三通目には妻の死を知らせる文面が載っていた。封筒が挟まっていた本は、エッジカムの『毒物学』。果たして、これは予定された殺人計画なのか、自分はこんなにも愛している夫に殺されるのだろうか。
11月8日、ジム・ヘイトの姉、ローズマリー・ヘイトがライツヴィルにやってくる。ジム・ヘイトは街の居酒屋で飲んだくれて、エラリイとパットが家まで連れ帰る。ジムは、酔っぱらいの戯言として「ぼくの妻、あの女、ちくしょう、憎たらしい妻」「見ていやがれ! ぼくはあの女を始末してやる!」と口走る。警察署長と郡検事もそこに居合わせる。エラリイは、なんとかその殺人事件を事前に防ごうとする。
しかし、手紙に描かれていた通り、11月28日、12月25日とノーラが毒をもられ、1月1日はローズマリーが毒殺される。三通の手紙は果たして、この事件を予告していたのか? あの手紙を書いたのは、本当にジムなのか。そして、彼の三年間の失踪はなんだったのか。
出版年 | タイトル | 出版社 | 文庫名等 | 訳者 | 巻末 | ページ数 | ISBNコード | カバーデザイン | 備考 |
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1950年4月 | 災厄の町 | 新樹社 | ぶらっく選書 6 | 妹尾韶夫 | 316 | ||||
1955年7月15日 | 災厄の町 | 早川書房 | ハヤカワ・ポケット・ミステリ185 | 妹尾韶夫 | 261 | ||||
1960年10月21日 | ライツビルの殺人事件 | 新潮社 | 新潮文庫 白色帯[日本語訳 1] 111F |
能島武文 | 解説 能島武文 | 444 | パラフィン紙装 白色帯 | ||
1972年8月 | 世界ミステリ全集 3 エラリイ・クイーン |
早川書房 | 世界ミステリ全集 | 青田勝 | エラリイ・クイ−ンについて座談会 | 835 | [日本語訳 2] | ||
1975年10月15日 | 災厄の町 | 早川書房 | ハヤカワ・ポケット・ミステリ185 | 青田勝 | 316 | ||||
1977年1月30日 | 災厄の町 | 早川書房 | ハヤカワ・ミステリ文庫HM 2-12 | 青田勝 | 解説 青田勝 | 401 | 978-4-15-070112-3 | 北園克衛 | |
2014年12月5日 | 災厄の町〔新訳版〕 | 早川書房 | ハヤカワ・ミステリ文庫HM 2-51 | 越前敏弥 | 訳者あとがき、 解説 クイーンの最高傑作 飯城勇三 |
513 | 978-4-15-070151-2 | カバーデザイン:albireo、 カバーイラスト:三宅瑠人 |
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