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漏洩電磁波(ろうえいでんじは、英: compromising emanations)は、電子機器内部で発生する電磁波が、その強度が十分に弱くないため、あるいは完全なシールドは難しいために、外部で計測可能なほどに漏洩するものである。サイドチャネル攻撃などに利用可能なため、特に他者に知られたくない情報を含んだ電磁波を指すこともある。アメリカ国家安全保障局などではTEMPEST[1]と呼び研究している。暗号の攻撃法としての利用についてはサイドチャネル攻撃の記事を参照のこと。
モニター、キーボードの接続ケーブル、ネットワークケーブル、USBコネクタなどから微弱信号が放射され、情報が漏洩する場合がある。隣接する建造物や車両などに指向性のアンテナを設置して、目的のパソコンなどの電子機器に向ければ、実用的には数十メートル離れた場所からこのような信号を傍受できるといわれている。[2]また、同期信号のずれを利用して、特定のパソコンからの情報を選択的に傍受することが可能であるとされる。
2004年に新情報セキュリティ技術研究会が公開した実験では、市販されている受信機でデスクトップPCの映像が傍受され、ノートパソコンでも本格的な機器を用いれば映像の傍受が可能である事が示された[3]。
パラボラアンテナも目的の方向とは別な方向に微弱な電磁波が漏洩することがある(一般論として「絶対的に理想的な特性のアンテナ」などそもそも存在しない)。パラボラアンテナに限らず、ビーム型の特性を持つアンテナの各方向への利得をチャートにした際に、意図された向きのビームの脇に現れる不要な放射を「サイドローブ」と呼ぶ。サイドローブの特性は(理想的には電波暗室で)放射パターンを測定し具体値を得る。一般に周波数3 GHz以上のマイクロ波ではパラボラアンテナが用いられており、ほぼ1対1の通信と考えられることも多いが、サイドローブを利用した第3者による傍受の可能性はある。
電子機器の回路設計の段階で信号の漏洩を防ぎつつ、ケーブル等を被覆して電磁波をシールドすることが基本的な対策である。また、パソコン等が入った部屋全体をシールドするという手段もある[4]。
根本的な対策としては、
などがある。
新情報セキュリティ技術研究会は2004年に「電磁波セキュリティガイドライン」を発表した[5]。
エドワード・スノーデンの報告では、セキュリティ対策を破るためにUSBコネクタに発信器を仕込み、スパイに交換させているという。
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