汝平和を欲さば、戦への備えをせよ
ラテン語の格言 ウィキペディアから
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ラテン語の格言 ウィキペディアから
「汝平和を欲さば、戦への備えをせよ」(なんじへいわをほっさば、いくさへのそなえをせよ、Si vis pacem, para bellum)は、ラテン語の警句である。通常、「peace through strength」、すなわち「強さを通じた平和」を意味すると解釈される。
この項目「汝平和を欲さば、戦への備えをせよ」は途中まで翻訳されたものです。(原文:en:Si vis pacem, para bellum 16:11, 17 November 2010) 翻訳作業に協力して下さる方を求めています。ノートページや履歴、翻訳のガイドラインも参照してください。要約欄への翻訳情報の記入をお忘れなく。(2014年11月) |
この格言の出典は明らかになってはいない[1]。 しかし一般的には、ローマ帝国の軍事学者フラウィウス・ウェゲティウス・レナトゥスの Igitur qui desiderat pacem, praeparet bellum. の表現を変えたものとされている[2]。390年ごろに書かれたとされる彼の論文「軍事論」に基づく数多くの格言の1つだと言われる。 この句が書かれているのは、軍事行動において準備を万全にしておくことの重要性を強調し、単なる偶然や数の優勢に頼ることをいましめた一節である。
したがって、平和を願う者は、戦争の準備をせねばならない。勝利を望む者は、兵士を厳しく訓練しなければならない。結果を出したい者は、技量に依って戦うべきであり、偶然に依って戦うべきではない[3]
孫子にも同様の表現が見られ、
百戦百勝は、善の善なる者にあらず。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。 — 謀攻篇第三
子曰く、およそ善の善なる者は、其(敵)の来たらざるを恃むこと無く、我に以て待つあるを恃むなり。其(敵)の攻めざるを恃む事無く、我に攻むる所あるべからざるを恃むなり。 — 九変篇第八
いずれにせよ、この格言はさらに以下のようなさまざまな変形を生むものとなり、多数の言語でさまざまな考えを表現するのに使われた。この格言をウェゲティウスのものとする筆者でも、その多くは実際の表現を挙げることもしない。
例えば、ナポレオン・ボナパルトの外交政策に関して、歴史家のブーリエンヌは次のように述べている[4]。
誰でも知っている格言がある……もしボナパルトがラテン語に詳しければ、おそらく格言を逆さにして……Si vis bellum para pacem. (汝戦を欲さば、平和への備えをせよ)と言っただろう。
戦争をしようというのなら、平和をはぐくむことで他国を油断させねばならない、という意味である。あるいは別の解釈としては、平和にだけ備えていると他国から戦争をしかけられるおそれがある、富国強兵を達成するには国内の統一と安定が不可欠である、などという意味もありえる。
アンドリュー・カーネギーが議長を務めた1907年の 全国仲裁平和会議 では、以下のように述べられた。
これら陸海の巨大な軍備は、戦争を行う手段ではなく、戦争を防ぐ手段なのだと言われている……しかしもっと安全な道もある……必要なのは各国政府の同意と善意だけだ。昨今は、平和を望むなら軍備を、と言われる。この議会は、民衆に代わってこう言う、Si vis pacem, para pactum、平和を望むなら、平和維持に賛同せよ、と[5]。
ドイツの平和主義作家、リヒャルト・グレリングは、ウッドロウ・ウィルソンが1917年4月2日の議会開会前に際して行った「世界は民主主義にとって安全でなければならない」演説を引用し、以下のように著した。
他のあらゆる手段が失敗したとき...世界の軍事的圧制からの解放は、極端な場合だが、戦争に因ってのみ生じ得る。...Si vis pacem para bellumに代わって、近しい響きを持つ原則が必要になるかもしれない。Si vis pacem, fac bellum(汝平和を欲さば、戦をせよ)。[6]
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