桑原 司(くわばら つかさ、1970年1月21日 - )は、日本の社会学者。博士(文学)[1]。専門はシンボリック相互作用論、
シカゴ学派社会学。父は化学者・工学者の桑原誠。義父は法学者の中村雅麿[2]。
概要 くわばら・つかさ 桑原 司, 生誕 ...
閉じる
埼玉県生まれ。本籍地は山口県防府市[3]。出身は福岡県北九州市。八幡大学附属高等学校(現:九州国際大学付属高等学校)を経て、1988年4月に熊本大学文学部地域科学科に入学。熊本大学に入学後、当初は平田順治の下で民俗学を専攻するものの(1989年4月~1991年3月)、その後、田口宏昭から影響を受け医療社会学に転向する(1991年4月~1993年3月)[4]。1994年4月、東北大学大学院文学研究科博士前期課程入学。1999年3月、東北大学大学院文学研究科博士後期単位取得退学。2000年3月、博士(文学)。2012年4月、鹿児島大学法文学部教授[6]。シカゴ学派の古典文献やシンボリック相互作用論(シンボリック相互行為論)の基本文献[7]の翻訳を手がける一方で、船津衛、徳川直人の強い影響の下[8]、ハーバート・ブルーマーやアンセルム・ストラウス等の学説をもとにコミュニケーションの理論化を企図している[9]。
- 2012年4月~鹿児島大学法文学部教授
- 2001年4月~2012年3月 - 鹿児島大学法文学部准教授
- 2000年3月~博士(文学) - 東北大学
- 1999年10月~2001年3月- 鹿児島大学法文学部専任講師
- 1996年4月~1999年3月 - 東北大学大学院文学研究科博士課程後期3年の課程(単位取得退学)
- 1994年4月~1996年3月 - 東北大学大学院文学研究科博士課程前期2年の課程
- 1993年4月~1994年3月 - 熊本大学大学院文学研究科大学院聴講生
- 1988年4月~1993年3月 - 熊本大学文学部地域科学科
- 1985年3月~1988年3月 - 九州国際大学付属高校
- 中野正大・宝月誠(編)『シカゴ学派の社会学』世界思想社(2003年)[第10章第1節]。
- 伊藤勇・徳川直人編『相互行為の社会心理学』北樹出版(2002年)[第3章]。
- 船津衛・安藤清志編『自我・自己の社会心理学』北樹出版(2002年)[第2章]。
- Glaser, B. G., and A. L. Strauss, 1964=2023[山口健一・鎌田大資・桑原司(訳)]「自覚文脈と社会的相互行為(シンボリック相互作用論基本文献翻訳シリーズ No. 3)」『経済学論集』100: 93-114.
- Mead, G. H., 1929=2021[鎌田大資・桑原司(訳)]「バークリー主教とそのメッセージ(シンボリック相互作用論基本文献翻訳シリーズ No. 2)」『経済学論集』97: 121-135.
- Burgess, E. W., et al, 1916=2020[鎌田大資・桑原司(訳)]「コロンバスのプール・ルーム(シンボリック相互作用論基本文献翻訳シリーズ No. 1)」『経済学論集』94: 19-44.
- Shibutani, T., 1955=2013[木原綾香・奥田真悟・桑原司(訳)]「パースペクティブとしての準拠集団」Discussion Papers In Economics and Sociology, 1301: 1-16.
- Blumer, H. G., 1971=2006[桑原司(解説)・山口健一(訳)]「集合行動としての社会問題」『経済学論集』66: 41-55.
- ポール・ゴールビー・クレッシー著『タクシーダンス・ホール(シカゴ都市社会学古典シリーズ No. 4)』ハーベスト社(2017年)〔桑原司ほか(訳)〕[14]。
- ハーヴェイ・ウォーレン・ゾーボー著『ゴールドコーストとスラム(シカゴ都市社会学古典シリーズ No. 2)』ハーベスト社(1997年)〔吉原直樹・桑原司・高橋早苗・奥田憲昭(訳)〕。
Cf. 『ゴールド・コーストとスラム』ハーベスト社、1997年、奥付対向頁。
Cf. 『博士学位論文――論文内容の要旨及び審査結果の要旨(文学・第11集・平成11年度授与)――』44、東北大学、2000年、248頁。
本論ではじめて「考慮の考慮」という言葉が使われた。ルーマンが『社会システム理論』においてブルーマーの解釈過程を表現するために使用した"taking into account of taking into account"の訳語である。
「ブルーマーが単なる観念論者でないことを、ブルーマーとマックファイル等との間の論争に触れながら論じた」もので、「ブルーマーのシンボリック相互作用論の科学的立場をめぐる論争を知る上で有意義である」(宝月誠『シカゴ学派社会学の可能性』東信堂、2021年、388頁、498頁)。