Loading AI tools
日本のSF小説 ウィキペディアから
『果しなき流れの果に』(はてしなきながれのはてに)は、小松左京の長編SF小説。『S-Fマガジン』の1965年2月号から11月号に連載後、単行本として出版、文庫化もされている。
誤って『果てしなき流れの果てに』などと表記されることがあるが、題名の「果」には送りがなをつけないのが正しい。
『果しなき流れの果に』は、宇宙を股にかけ、10億年の時空を舞台とする壮大なスケールの本格SFである。殺人事件を含む点でミステリー色もあり、時間は中生代から未来、さらにその先までもを含む。
小松左京の第4長編であり、小松の最高傑作という評価のみならず[1]、日本SFのオールタイムベストといった企画では、常に上位にランクされる作品である[2][3]。1997年の『S-Fマガジン』500号記念号で発表された「日本SFオールタイムベスト」と2001年に日本SF作家クラブ員が選ぶ国内SF作品では1位[4]、2014年の『S-Fマガジン』700号記念の「オールタイム・ベストSF」の国内長編部門では2位に選出された[5]。
執筆当時、第二次世界大戦終結から20年経過してから時として記憶喪失状態で日本へ帰国する元日本兵を『オデュッセイア』と『浦島太郎』にダブらせ、さらに当時の大阪近郊での遺跡発掘ブームをモチーフとしている[6]。
デビュー作である『地には平和を』以来の歴史改変テーマでの、歴史への異議申し立てはなぜいけないのか、という問いかけを持ち、このテーマは後の小松作品でも描かれ続けている[7]。本作中に登場するルキッフ、ルシファーも絶対者への挑戦者として、『結晶星団』『ゴルディアスの結び目』に登場するテーマである[7][8]。
本作には、小松の別作品『日本沈没』で描かれた国土を失った日本人が宇宙へ進出するという未来の描写がある。小松は、『日本沈没』と当時は未執筆だったその第二部、そして本作と『復活の日』がつながって自分の小説の大系になると語っていたという[9]。
大原まり子は、ハルキ文庫に寄せた解説文で、本作をワイドスクリーン・バロックとしている。
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
中生代の地層から、なぜか砂時計が発見された。しかも、この砂時計、無限に砂が流れ続ける代物だった。理論物理学研究所の助手野々村浩三は番匠谷教授らと共に砂時計の見つかった葛城山麓の古墳へ向かうが、その途中奇妙な人物から砂時計を指すと覚しき「クロニアム」という名を聞かされる。その古墳は変わった物で番匠谷教授は発掘の意気にはやるが野々村は言う。「こいつは──現代の僕らの手に余りそうですよ」
古墳から帰ると主人公格の野々村を始め、関係者も変死、行方不明、意識不明になり事情を知る者は居なくなってしまう。それは時空を超えた物語の始まりに過ぎなかった──。
野々村たちの巻き込まれた壮大な戦いの結末は?そして彼は自分を数十年待ち続ける恋人の元に帰ってこられるのか?
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.