本態性振戦(ほんたいせいしんせん)は、原因不明の不随意な律動的な体の動きを起こす疾患である。
診断の際は下記3点が特徴である。
- 他の疾患などによる二次性の振戦の可能性が除外されている。
- 神経学的診察では振戦以外の所見をみとめない。
- 画像所見においても異常所見を伴わない。
本態性振戦の病態はまだ十分には明らかになっておらず、薬剤の作用機序も不明な点が多い。
- 有病率は報告によってばらつきがみられるが、およそ人口の2.5%から10%とされている[1]。
- 高齢者に多い(40歳以上では4%、65歳以上では5%から14%以上)[2][3]。
- 明確な神経障害や病変があるものを除外するため、本態性振戦の病因は明らかなものは存在しない。
- βアドレナリン受容体遮断薬による薬物治療では、50%から70%の患者で症状の改善が報告されている[4]。
- 手術療法としては視床破壊術、視床電極刺激術、ガンマナイフによる視床破壊術がある。視床刺激療法は安全で有効性が高いことが報告されているが、13%から40%に効果減弱が報告されている[5][6]。
- コミュニティとしては、International Essential Tremor Foundationがある[7]。
William Koller, Rajesh Pahwa, Karen Busenbark, Jean Hubble, Steve Wilkinson, Anthony Lang, Paul Tuite, Elspeth Sime, Andres Lazano, Robert Hauser, Teresita Malapira, Donald Smith, Daniel Tarsy, Edison Miyawaki, Thorkild Norregaard, Theresa Kormos, C. Warren Olanow (1997-09). “High-frequency unilateral thalamic stimulation in the treatment of essential and parkinsonian tremor”. Annals of Neurology (Wiley) 42 (3): 292–299. doi:10.1002/ana.410420304. PMID 9307249. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/ana.410420304 2024年3月30日閲覧。.
“Essential Tremor” (英語). International Essential Tremor Foundation. 2024年3月30日閲覧。