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料金紛失(りょうきんふんしつ)、料金紛失の謎(りょうきんふんしつのなぞ、英: Missing dollar riddle)あるいは消えた1ドルのトリック[1]:116、「1ドルはどこへ消えた?」(英: Where has the one dollar gone?)[2] は、しばしばジョークあるいはなぞなぞの類いとして問いかけられる、擬似パラドックスの構造を持つ数学パズルストーリーである。
このパズルには様々な変種が知られている。デビッド・シングマスター Chronology of Recreational Mathematics[3](『あそび数学の年代学』)は、この種の数学的誤指示パズルは18世紀の算術における問題の末であるという。それは、フランシス・ウォーキンガム著 Tutor's Assistant[4](1751年出版、1860年再版)では「120から48を引けば72が残り、91から72を引けば19が残り、19から7を引けば12残る、それでは 48, 72, 19, 7 を引いて12残る数とはいくつですか?」(p. 185, probrem 116) という形で掲載されている。シングマスターは「預金引き出し問題とは同じではないけれども、その手の問題で引いた額と残額をごちゃ混ぜにすることが、消えた1ドルの問題の素になったのだと考えられます」と加えている。
ある3人が食堂で食事をし、1人1000円ずつ合計3000円を払った。しかし店主は料金をサービスし、給仕に対し3人に500円を返すように命じた。しかし給仕は、3人に対して500円を返したのでは均等に分けることができないため、その500円から200円をこっそり盗んで自分のふところに入れ、均等に分けることのできる300円だけ客に返した。
300円は3人が均等分けし、それぞれ支払った金額は1000円から100円差し引いた900円になり、合計すると2700円になる。それに給仕が盗んだ200円を加えると、2700 + 200 = 2900円となるが、差額の100円はどこにいったのだろうか?
客、店(食堂)、給仕の間のお金の状態を (客、店、給仕) = (30, 25, 5) のように略記する。
※略記例においては、それぞれ客は30 = 3000円、店は25 = 2500円、給仕が5 = 500円を持っていることを表す(下2桁を省く)
ここで、
と説明しているが、上で「客が支払った額 (27) = 店に入った額 (25) + 給仕がくすねた額 (2)」とあるので
となる。
2700円は「客が支払った額 + 給仕がくすねた額」であり、また「客が支払った額 + サービス」ではないので、くすねた200円を足しても3000円にはならない。払った額 + 盗られた額 = 全額と短絡しがちなところが盲点である。2900円は店に入った額2500円に給仕がくすねた額200円が二重に加算されただけのものであり、食事の定価3000円とは根本的に異なるものである。
つまり、
と勘違いさせているのであり、
が本来の姿である。
上記を踏まえ、諸データと各アクションごとの各人の資産推移を計算式を使って、以下のようにまとめる。
客の資産の推移 | −2700円 | = | −3000 | + 300 | |
---|---|---|---|---|---|
店の資産の推移 | 2500円 | = | 3000 | − 500 | |
給仕の横領分 | 200円 | = | 500 | − 300 | |
本来の食事の料金 | 2500円 | ||||
(誤った料金) | (3000円) |
客の支出は、本来の食事の料金に給仕の横領分を合わせたものとわかる(店の収入は、本来の食事の料金と変わらない)。
よって、「差額の100円はどこ?」という問いについては、「(出題者の)勘違い」であり、2700円 − 200円 = 2500円とするのが正解であり、「100円という金額は、収支のどこにも存在しない」のが正解である。
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