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抵抗勢力(ていこうせいりょく)とは、第87・88・89代内閣総理大臣であった小泉純一郎が進める聖域なき構造改革に反対する自民党内の族議員、公務員、郵政関連団体、野党、マスメディアなど諸勢力をまとめて呼んだ呼び方。ネガティブなイメージを持つレッテルとして用いられた。
2001年4月、小泉純一郎が自民党総裁選で、自らの反対派を「改革に抵抗する勢力」と表現した。総裁選勝利後、総理大臣に選出された後の5月9日、小泉は衆議院本会議で民主党の鳩山由紀夫から「改革に抵抗する勢力を恐れず、ひるまず、断固として改革を進めるとしていますが、一体、その抵抗勢力とはだれのことでしょうか?」という質問を受け、「私の内閣の方針に反対する勢力、これは全て抵抗勢力であります」[1]と答弁した。文字通り、政府に反対する全ての勢力ということである。
2005年8月8日、いわゆる「郵政解散」と呼ばれる衆議院解散に伴って開かれた記者会見においても、この言葉を用いている。自民党の声明でも「公務員労組の既得権を守ろうとする野党や抵抗勢力に勝利し、真に国民のための改革を全力で成し遂げます」[2] とした。
改革の旗を高く掲げ、国民に二者択一を迫るこのような政治手法をとったのは小泉が初めてではなく、小泉の政敵である小沢一郎がはじめてである。小選挙区制導入の是非をめぐって争われた1993年の総選挙の際、小沢は、小選挙区制導入を目指す自身の勢力を「改革派」、導入に反対し中選挙区制の維持を求める勢力を「守旧派」と位置付けた。ただ、小沢はその際に自ら首班候補として選挙を戦ったわけではなく、小沢自身が解散を行ったわけでもない。それに対し、郵政の際の小泉は、自ら勝敗ラインを設定した上で解散を行い国民に信を問うたため、小選挙区導入時よりもより明快で、より明確で、より洗練されたメッセージが国民に伝わり、それが郵政選挙圧勝につながった。また、小泉が自身の政策に反対する勢力を「守旧派」と称さず、「抵抗勢力」と称するのは小選挙区導入に当時最も強硬に反対したのが小泉自身であったことがあげられる。なお、同制度に激しく反対していた小泉は、首相在任時、毎日新聞記者の岸井成格の取材に「制度は利用しなきゃいけない」と述べ、賛成に転じた旨を明らかにしている。
自民党の郵政民営化反対派によって結成され、小泉に「抵抗勢力」と批判された国民新党は、2007年の第21回参議院選挙では「正々堂々、抵抗勢力」をアピールし、逆に肯定的意味合いで自称するようになった。
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