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後口動物(こうこうどうぶつ、学名: Deuterostomia)あるいは新口動物(しんこうどうぶつ)は、左右相称動物に属する動物の一群である。
原口が口にならず、肛門となり(あるいは、原口の付近に肛門が形成され)、口は別に形成される動物。棘皮動物・半索動物・脊索動物を含む。系統位置は前口動物に対立する。
Deuterostomia の語は、トマス・ヘンリー・ハクスリーによって1875年に作られた。ギリシャ語で deuter(o)(2番目の・後の)+ stoma(口)からなり、口が2次的に作られるという意味。当時は、原口が口になる Archaeostomata(刺胞動物なども含まれる)と対立するものとして分類された。
専門書では「後口動物」の語が使われることが多いが、高校生物用の参考書では「新口動物」の語が使われている。
かつては語義から棘皮動物門・半索動物門・脊索動物門・毛顎動物門・外肛動物門・腕足動物門などが含まれた。ただし毛顎動物門、外肛動物門、腕足動物門については、後に前口動物の冠輪動物であると判明した(後述参照)。21世紀の現在では、棘皮動物門・半索動物門・脊索動物門のみを後口動物に含むようになり、これら3門の単系統性は支持されている。なお、これらの中に(クモヒトデの一部など)原口が口になる生物も含まれるが、その場合も系統を優先して後口動物とみなす。狭義の後口動物グループについては、「後口動物」の名称は、口の形成過程と言うより、単なる分類群のラベルと考えるのが妥当であろう。
一時、珍渦虫の遺伝子解析の結果から、これが後口動物に属する独立門とされ、珍渦虫動物門が含まれることになったが、後の解析の結果、無腸動物とともに珍無腸動物門を構成し、前口動物と後口動物を合わせた有腎動物と姉妹群に当たるとして、後口動物から外れている。
触手冠動物(または触手動物。外肛動物門・箒虫動物門・腕足動物門からなる)と毛顎動物門は、原口の発生からは後口動物になるが、系統的に前口動物と(狭義の)後口動物とのどちらに近いかについて、意見の対立がある。後口動物と触手冠動物をまとめて Radialia(放射卵割動物)を認める説もある。しかし、21世紀での分子系統解析では、触手冠動物と毛顎動物門は前口動物に含まれる説が有力になっている。すなわち、左右相称動物は進化の過程で後口動物と前口動物に分岐したと考えられている。
ヘッケル派の説では、後口動物は、放射卵割を行ない、腸体腔をもつとされた。しかし、現在では脊索動物は裂体腔であろうといわれているなど、この体系は問題がある。
2010年現在は、棘皮動物と半索動物が姉妹群をなすという説が大勢を締めており[1]、これら2つは幼生の形態、三体腔性、軸器官などの共通性を持つ[1]。
下記は、後口動物の系統樹である[2]:
後口動物 |
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