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弱毒生インフルエンザワクチン(Live attenuated influenza vaccine, LAIV)とは鼻腔内に噴射する形で接種する弱毒化ウイルスの形を取る、インフルエンザワクチンである。商品名はフルミスト (FluMist)、フルエンズ(Fluenz)。
弱毒化したインフルエンザウイルスを直接鼻腔内に噴霧することで、インフルエンザ疑似感染状態をつくり免疫を誘導する。また低温馴化(後述)されており低温でなければ効果的に増殖できないため、鼻腔内で増殖に手間取っている間に免疫される。
米国予防接種諮問委員会(ACIP)は、2016-2017年、2017-2018年のシーズンに無効であるため、鼻スプレーワクチンを使用しない様に勧告したが、2018-2019年から使用中止を取り下げ推奨とした。しかし有効性についてのデータはない[2]。
通常インフルエンザウイルスは鼻腔から侵入するので、その場所に直接免疫をつける。鼻腔内において分泌型IgAを誘導することで、インフルエンザウイルスの侵入そのものを阻害できる。さらに全身の粘膜へ分泌型IgA抗体の誘導し、防御する[3]また、自然感染に近いため、CD8陽性T細胞を誘導[4]することにより、ウイルス株が違っていても、重症化を防ぐ可能性がある。
FluMist Quadrivalentのインフルエンザ株は、
という処理がなされている。
このウイルス株は臨床試験において、ウイルスが先祖がえりして病原性を回復する事は無かった。
弱体化ウイルスを選別し培養する過程で徐々に温度を低下させ、摂氏25度で効率的に増殖出来る株を選別する。通常、低温馴化する過程で、病原性はさらに低下する。
これらのウイルスは、マスターウイルス(MDV)と野生株ウイルスを低温状況下で一つの細胞に同時感染させることによって、各々の特徴を融合させる再集合化という手法で作成されている。特定病原体未感染卵(SPF)に、再集合体株を接種し、認可ウイルス複製目的で培養する。
A型インフルエンザには、Arbor/6/60-H2N2[5]が、B型インフルエンザには、Arbor/1/66[6]というタイプのMDVが使用されている。
低温馴化、温度感受性、および弱体化の表現型の元である6つの内部遺伝子断片は、MDVに由来する。また、2つの表面糖タンパク質、赤血球凝集素(HA)およびノイラミニダーゼ(NA)をコード化する2つの遺伝子断片は、野生型のインフルエンザウイルスに由来する。 したがって、FluMist Quadrivalentに含まれる4つのウイルスは、MDVの複製特性および表現型特性を維持しつつ、2013-2014年に流行した野生株ウイルスのHAおよびNAを表現している。
TSおよびATTの表現型については、
特性に関連している。
そして両者において、3つの遺伝子断片中の5つの部位がCA特性に寄与している。
米国予防接種諮問委員会(ACIP)は、2016-2017年[10]、2017-2018年のインフルエンザシーズンに、これら鼻スプレーのワクチンを使用しないよう推奨していたが、2018-2019年では、効き目のなさそうだったH1N1が変更されたため使用中止の推奨を取りやめた。しかし2シーズンの間市場に出回っていなかったため、有効性に関するデータは存在しない[2]。
2023年3月、経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの2歳から19歳未満に対する使用について、日本で薬事承認された。
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