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底生生物(底棲生物、ていせいせいぶつ、英: benthos)は、水生生物の生活型の一つである。
水域に生息する生物の中でも底質に生息する生物の総称である。この場合の底質とは水域の底に当たる岩石や砂地、泥地からコンクリートなどの人工建造物によって形成されている底及びそこに付着する海藻やサンゴのような固着生物などの生物も含む[1]。したがって、底生生物は、水底の岩、砂、泥にすむもの、およびそこに生活するサンゴや海藻などにすむものをも含む。また、その表面を徘徊するもの、表面に固着するもの、表面から潜り込んで生活するものが含まれる。それらの表面から離れて生活するものは、ネクトンかプランクトンに分類されるが、実際にはその表面から余り離れずに生活するものもあり(ネクトベントス、プランクトベントスともいう。)、それらはベントスにまとめられることもある。基質中に潜り込んでいるものをエンドベントス(英語:Endobenthos)と言い、自ら穴を掘って潜るものを潜行性、基質粒子のすき間を利用するものを間隙性という。硬い基質に穴を開けて潜るものを穿孔性という。
日本において「底生生物」という語は「benthos」の訳語として用いられているが本来ベントスはネクトン (Nekton)、プランクトン (Plankton) に対応する生活型の分類の一つである[1]。
底生生物は篩を通過するサイズによって更に以下の通りに分類される[1][2]:
底生生物はその移動能力によって更に以下の通りに分類される[1]。
底生生物の生育と底質に含まれる重金属等の有害物質とは負の相関関係があること定性的には知られているが、定量的な把握のためのデータ収集が行われている。
底生生物の定量調査は絶対密度として表すのが一般的である。
二枚貝類は水中のプランクトンや有機懸濁物を餌とすることで水質浄化[3]を、ゴカイ類などは底泥を食べて排泄したり、動くことで底泥に穴を開けて水の交換を促したり、分解者としての役割を果たしている。また、魚の餌として食物連鎖の下位にあるものが多い。
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