福島県郡山市に生まれる。
第一高等学校を経て1948年東京帝国大学文学部哲学科卒業、大学時代は出隆に師事。
東洋経済新報社に勤め、1959年カッパ・ブックスより『姦通のモラル』を刊行、一夫一婦制には無理があるとして夫婦の自由恋愛を勧め、嫉妬心を批判した。バートランド・ラッセルの結婚観の影響を受けつつ、博識に裏打ちされた優れた著作である程度売れたが、むろん現状に変化はなく、続編を四部作まで刊行したものの、以後は女性向けの恋愛論や消費者問題に移行。
日本消費者協会勤務の後、消費者問題研究所長[1]。相模女子短期大学教授、相模女子大学教授、同学芸学部長を務めた。現代教養文庫の『恋愛の方法』はロングセラーだった。ポルノ、ノンフィクション、SF作品の翻訳もある。
妻巻歌子(木村うた子)は初期の共同執筆者。
- 『姦通のモラル』(光文社、カッパ・ブックス) 1959
- 『性の現代思想』(講談社、ミリオン・ブックス) 1960
- 『恋愛の方法』(社会思想研究会出版部、現代教養文庫) 1961
- 『現代結婚入門』(巻歌子共著、社会思想社、現代教養文庫) 1962
- 『国産品 メイドインジャパンの実力』(講談社、ブルーバックス) 1965
- 『愛するということ』(三一書房、高校生新書) 1965
- 『若い女性に贈る12章』(大和書房、銀河選書) 1967、のち大和人生文庫
- 『いい品をうまく買う』(文藝春秋、文春実用百科) 1968
- 『驚くべき日本商品 色盲人間のマネジメント』(青春出版社、プレイブックス) 1969
- 『欠陥商品』(三一新書) 1970
- 『消費者革命 消費者運動の理論と展望』(新時代社) 1970
- 『コンシューマリズム 立ち上がる消費者』(日本経済新聞社、日経新書) 1971
- 『日本人の意識改造 常識の鎖国から脱出のすすめ』(双葉社) 1973
- 『人間にとって性とは何か』(社会思想社、現代教養文庫) 1973
- 『保険の秘密 頭のいい<生命・火災・自動車保険>105の活用法』(産報、サンポウ・ブックス) 1973
- 『愛される女性のために 心を惹きつける魅力の条件』(大和出版販売) 1974
- 『なぜ愛されないのか 自分では気づかない15の盲点』(大和書房) 1976
- 『青春=愛と性の世界 これだけは知っておきたい知識と心得』(大和出版) 1977
- 『恋愛カウンセリング』(社会思想社、現代教養文庫) 1977
- 『ヒーブ入門 消費者問題の新しい担い手』(日本経済新聞社) 1977
- 『消費者問題読本』(東洋経済新報社 1978
- 『愛されることば女らしい言葉 愛されるための7つの秘訣』(大和書房) 1978、のち文庫
- 『愛される方法 自分では気づかなかった魅力の演出法』(大和書房) 1976
- 『二人で向かいあって生きるための12章 女としての幸せを求めるあなたに』(大和書房) 1979
- 『大人になる人のシークレット・セミナー Sexの不安を解消する本』(大和出版) 1984
- 『性の心理学』(ハヴェロック・エリス、みすず書房) 1960
- 「匂える園」(マホメッド・エル・ネフザウィ、新流社、世界セクシー文学全集別巻3『薫園と愛壇』) 1962
- 『性の社会学』(F・ヘンリックス、紀伊国屋書店) 1963
- 『愛の技術』(J・ルートヘルス,ハヴェロック・エリス、新流社) 1964
- 『性愛禁秘抄』(新流社) 1964
- 『レジャー消費行動』(G・フィスク、ダイヤモンド社) 1969
- 『ネーダー アメリカを変えつつある男』(R・F・バックホーン、日本経済新聞社) 1972
- 『第二創世記 来たるべき生物学時代への堤言』(アルバート・ローゼンフェルト、早川書房、ハヤカワ・ノンフィクション)1972
- 『シビル 私のなかの16人』(フローラ・リータ・シュライバー、早川書房、ハヤカワ・ノンフィクション) 1974、のち改題『失われた私』(ハヤカワ文庫NF) 1978
- 『抑圧との闘い 現代を生きぬく積極人間』(ジョージ・バック,ハーブ・ゴールドバーグ、佑学社) 1975
- 『愛と性と赤ちゃん こどもたちの質問に答える』(アルカジイ・レオクム、社会思想社) 1975
- 『私は日本軍に抑留されていた 英国婦人マニラ収容所日記』(シリア・ルーカス、双葉社) 1975
- 『最愛の人わが父ラッセル』(キャサリン・テート、社会思想社) 1976
- 『エデンの授粉者』(ジョン・ボイド、早川書房、ハヤカワ文庫SF) 1976
- 『人間はどこから来たのか? 宇宙の起源と生命のあゆみ』(マルコム・ロス・マクドナルド、グラフィック社) 1978
- 『もう一度愛するならば ある精神分析医の遺書』(ノーマン・ガーボー、早川書房) 1980
巻正平『消費者問題読本』東洋経済新報社,1978年,奥付に記載