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イアン・フレミングの小説 ウィキペディアから
『女王陛下の007』(On Her Majesty’s Secret Service)は、イアン・フレミングの小説007シリーズ長編第10作(単行本としては11冊目)。1963年、ジョナサン・ケープより出版された。日本でも同年に『女王陛下の007号』のタイトルで早川書房から井上一夫訳によりハヤカワ・ポケット・ミステリで発売された[1]。
スペクターの首領ブロフェルドを探し回るのに飽き飽きし、イギリス秘密情報からの辞職を考えていたジェームズ・ボンドは、カジノ・ロワイヤルで現金を持たずに大金を賭けて負けたテレサ・ディ・ヴィセンゾ公爵夫人を助けた。テレサと一夜を共にしたボンドは、彼女の父で犯罪組織ユニオン・コルスの首領のマルク=アンジュ・ドラコに拉致され、赤ん坊を亡くして絶望しているテレサと結婚してくれるように頼まれる。テレサに自分で立ち直らせるよう説得したボンドは、ドラコから礼としてブロフェルドがスイスに潜伏していることを聞く。
ブロフェルドは、ド・ブーヴィル伯爵の嗣子であると称し、その確認を英国紋章院に申し立てていた。ボンドは紋章院のヒラリー・ブレイ卿に成りすましてアルプスにあるブロフェルドの山荘「ピッツ・グロリア」に潜入し、彼がそこでアレルギー研究所を営んで10人のイギリス人女性たちに治療を施していることを知る。だが、正体が露見してボンドはスキーで脱出し、麓の町(サメーダン)でテレサと再会し共にロンドンへ帰還する。ボンドはブロフェルドが10人の女性たちを催眠術で操り、運ばせた生物兵器によって七面鳥や牛・豚・鶏・馬鈴薯などを全滅させ、イギリスの貨幣価値および国家の壊滅を企んでいることを知らされた。ボンドは、Mの黙認の下に、ドラコの協力を得てピッツ・グロリアを急襲、テレサを救出し研究所を破壊したが、ブロフェルドは逃がしてしまった。
ボンドはテレサと結婚し、アストンマーティン・DBSに乗って新婚旅行に出かけた。だが、2人を追い越したマセラッティに乗っていたのは、ブロフェルドであった。
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