数学において、基数関数(cardinal function) (または 基数不変量(cardinal invariant))は
基数を返す関数のことである。
- 最もよく使われる基数関数は単に、集合 "A" に対してその濃度| A |を返す関数である。
- アレフ数 や ベート数はどちらも、順序数を基数に対応させる関数と見なすことが出来る。
- 集合 X の部分集合によるイデアル I に対して次のような基数関数が定義される。:
- .
- I の "additivity" とは、合併演算がI の下で閉じなくなるような最小の濃度。いかなるイデアルも有限和について閉じているので、この値は少なくとも 以上である。; I が σ-イデアルであるとは add(I)≥ であることを言う。
- .
- I の "covering number" とは合併演算で X が被覆できる最小の濃度。X は I の元ではないので、add(I) ≤ cov(I) であることが分かる。
- ,
- I の "uniformity number" とは I の元にならない集合の最小の濃度。I がシングルトンを全て要素に持つと考えるときは、add(I) ≤ non(I) であることが分かる。
-
- I の "共終数(cofinality)" とは 広義半順序集合 (I, ⊆) の共終数である。non(I) ≤ cof(I) かつ cov(I) ≤ cof(I) であることは容易に示される。
- 零集合によるイデアルや第一類集合によるイデアル等の実数集合の構造に密接に関わるイデアルで考える研究も行われている。cardinal characteristics of the continuumを参照。
- 前順序(広義半順序)集合 に対して bounding number と dominating number は次のように定義される。
- ,
- PCF理論において、 という基数関数が使われている。[1]
代数学における基数関数の例を挙げる:
- G の部分群 H の指数は剰余類の数である。
- 体 K 上の ベクトル空間 V の次元は V のハメル基底の濃度である。
- W ベクトル空間 V の線型部分空間に対して、余次元を定義することが出来る。
- A Glossary of Definitions from General Topology
Holz,
Michael; Steffens, Karsten; and Weitz, Edi (1999). Introduction to Cardinal Arithmetic. Birkhäuser. ISBN 3764361247 Juhász, István: Cardinal functions in topology. "Mathematical Centre Tracts", nr 34. Mathematisch Centrum, Amsterdam, 1971.
Juhász, István: Cardinal functions in topology - ten years later. "Mathematical Centre Tracts", 123. Mathematisch Centrum, Amsterdam, 1980. ISBN 90-6196-196-3 Engelking, Ryszard (1989). General Topology. Heldermann Verlag, Berlin. ISBN 3885380064 Monk, J. Donald: Cardinal functions on Boolean algebras. "Lectures in Mathematics ETH Zürich". Birkhäuser Verlag, Basel, 1990.
ISBN 3-7643-2495-3. Monk, J. Donald: Cardinal invariants on Boolean algebras. "Progress in
Mathematics", 142. Birkhäuser Verlag, Basel, ISBN 3-7643-5402-X.