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固体酸化物形燃料電池(こたいさんかぶつがたねんりょうでんち、英:SOFC、solid oxide fuel cell )とは、高温の固体電解質を用いた燃料電池である。
逆に水を電気分解するものを固体酸化物形電解セル(SOEC)という。燃料電池と電解セルを両立した可逆形(リバーシブル形)、rSOCの実現を目指す研究も有る。[1]
現在知られている燃料電池の形態では最も高温(通常700~1000℃)で稼働し、単独の発電装置としては最も発電効率が良い(45~65%)。 電極、電解質含め発電素子中に液体が存在せず、全て固体で構成される。 電極間のイオン伝導は水素イオンでなく酸化物イオン(O2-)である。 化学反応が高温で行われるため、白金などの高価な触媒が不要である。 高温で稼働し水素以外に一酸化炭素も燃料にできることから脱硫処理は必要であるが簡単な水蒸気改質処理(一酸化炭素の除去が不要で、燃料中に若干の未改質ガスを含む改質)により都市ガスや天然ガスなどを装置内で改質しながら発電に用いることも可能である。また排熱の温度が高いため、排気ガスから直接タービンなどで二次的に発電したり、コジェネーションシステムとして更に熱効率を上げることができる。
発電素子が高温で稼働するという点以外に制約が少ないため、家庭用分散電源、持ち運び用小型発電機、移動電子機器用電源などの新たな用途が見込まれている。[2]
全てセラミックスで構成されるのが通例である。
原理的には発電部分における改質(ニッケルを含む燃料極における直接内部改質)が可能であるが、吸熱反応による発電部分の極端な温度変化を防ぐために、プレリフォーマー(発電反応による熱や反応後の燃料を燃焼した熱を利用した間接内部改質)を採用するのが一般的である。
2009年6月11日に日本ガイシ株式会社は独自構造のSOFCを開発し、世界最高レベルの63%の発電効率(LHV)と90%の高い燃料利用率を達成したと発表した。[7][リンク切れ]
2011年10月、JX日鉱日石エネルギーが市販機としては世界で初めてSOFC型エネファームを発売した[8]。
2018年5月には、IHIがアンモニアを燃料とした燃料電池システムでの発電を成功させた[9]。都市ガスを燃料にすると二酸化炭素が発生するが、アンモニアの場合は窒素が発生するだけなので環境への影響がさらに低減されることが期待される。
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