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句またがり(英語: Enjambment)は、行末で区切るEnd-stopping(en:End-stopping)や、行の中間で休止するカエスーラと対照をなす。英語のEnjambmentという語はフランス語のenjambement(またぐ)からの直の借用である。
ウィリアム・シェイクスピアの『冬物語』の次の部分はかなり句またがりを使っている。
行が変わる時に、意味がこぼれ、読者の目は次の文を読むことを強いられる。それにより、読者をいらいらさせることも、あるいは、詩を、切迫または混乱の感覚を伴った「思考の流れ」らしくすることもできる。シェイクスピアは、初期の作品ではEnd-stoppingを使うことが多かったが、スタイルを発展させていくにつれ、句またがりの割合が増加した。
句またがりは、次の行までその行の意図を遅らせ、読者の期待をもてあそび、驚かすことも可能である。
「彼女の白き胸の上、輝く十字架に」で句またがりし、「ユダヤ人は接吻し、異教徒たちは崇拝したかもしれぬ」(大意)ときて、読者に「なぜ?」と思わせ、もう一度読み直すと、最初の行の「胸」が男女の区別のない「胸」ではなく、その上にある十字架にもキスしたくなるほど魅力的な「おっぱい」とわからせる、ユーモア効果の技法である。
句またがりの達人E・E・カミングスはひとつの芸術様式として、句またがりと句読点を併用する。
短歌、俳句、川柳といった句数の定まった定型詩で使われる技法である。小池光は「文節のおわりと句の切れ目が一致しない時、これを『句またがり』という。」と定義している[1]。
西東三鬼の俳句は2句目から3句目にかけて、塚本邦雄の短歌は初句から2句目および4句目から結句にかけて、句またがりが用いられている。坂野信彦は「表現構造に即応した散文的な読み方もなされるが、音数形式によって強引に表現を割ってゆくのが律読として典型的である。」と論じている[2]。
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