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『厨房』(ちゅうぼう、露: Кухня、英: Kitchen)は、フランドルのバロック期の画家ダフィット・テニールス がキャンバス上に油彩で制作した絵画である。画家が名声の頂点にあった1646年に描かれた[1]。画面左側の床の階段に署名と年記が、暖炉の上の素描にも年記が記されている[1]。作品はホートン・ホールにあったウォルポール・コレクションから購入され、1779年以来[2]、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館に所蔵されている[1][2]。
ロシア語: Кухня 英語: Kitchen | |
作者 | ダフィット・テニールス |
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製作年 | 1646年 |
種類 | キャンバス上に油彩 |
寸法 | 171 cm × 237 cm (67 in × 93 in) |
所蔵 | エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク |
エルミタージュ美術館には40点を超すダフィット・テニールスの作品があり、彼の作品に関して世界でも最大の収集の1つとなっている[2]。その中でも、大作であるこの絵画はエルミタージュ美術館の傑作のうちに数えられ、風俗画、寓意画、静物画、肖像画など異なる種類の主題が総合されている[1]。一見すると風俗画的であるが、描かれているのは実際の厨房ではない[1]。場面は想像上の室内であり[1]、画中の事物は四大元素 (土、火、水、空気) を表している[1][2]。
画面左側で豪華な鷹匠の衣装を身に着けているのは画家テニールス自身であるが、手に鷹を止まらせた鷹匠は「空気」を象徴する[1][2]。彼は窓の下に配置されており、窓から空気と光が入ってくるため、やはり空気が示されている[2]。「火」はテーブルの上の火鉢によって象徴され[2]、画面奥右寄りの料理人のいる竈もまた火を表す[1][2]。「水」は、右側にいる漁師とさまざまな魚介類によって象徴される[1][2]。 なお、鷹匠は「土」の擬人像としての役割も担っており、それは鷹が狩猟をし[2]、土の上にいる生き物を捕獲するからである。鷹匠は犬や狩猟の獲物とともに描かれており、彼の足元には「土」の産物であるキャベツ、リンゴなどの野菜、果物が見える[1][2]。本作で四大元素を表す事物は、17世紀の象徴文学ではよく知られたものであった[1]。
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