日本のライトノベル作品 ウィキペディアから
『千歳くんはラムネ瓶のなか』(ちとせくんはラムネびんのなか)は、裕夢による日本のライトノベル。イラストはraemz。ガガガ文庫 (小学館) より2019年6月から刊行されている。略称は「チラムネ」[3]。「第13回小学館ライトノベル大賞」の優秀賞受賞作であり、改題前のタイトルは『ラムネの瓶に沈んだビー玉の月』[4]。
千歳くんはラムネ瓶のなか | |
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ジャンル | 学園[1]、青春[1]、ラブコメ[2]、群像劇[1] |
小説 | |
著者 | 裕夢 |
イラスト | raemz |
出版社 | 小学館 |
レーベル | ガガガ文庫 |
刊行期間 | 2019年6月18日 - |
巻数 | 既刊10巻(2024年8月現在) |
漫画 | |
原作・原案など | 裕夢(原作) raemz(キャラクター原案) |
作画 | ボブキャ |
出版社 | スクウェア・エニックス |
掲載サイト | マンガUP! |
レーベル | ガンガンコミックス UP! |
発表期間 | 2020年4月11日 - 2025年1月11日 |
巻数 | 既刊7巻(2024年8月現在) |
話数 | 全32話 |
アニメ | |
原作 | 裕夢(原作) raemz(キャラクター原案) |
放送局 | 未発表 |
放送期間 | 2025年 - |
ドラマCD:千歳くんはラムネ瓶のなか ドラマCD 「王様とバースデー」 | |
原作 | 裕夢 |
制作 | 鈴木孝太 |
脚本 | 裕夢 |
発売日 | 2020年4月17日 |
収録時間 | 約30分 |
枚数 | 1枚 |
オーディオブック | |
原作 | 裕夢 |
制作 | 小学館・81プロデュース |
発売日 | 1巻:2020年4月20日 2巻:2021年8月20日 3巻:2022年9月20日 |
収録時間 | 1巻:約9時間50分 2巻:約9時間15分 3巻:約10時間7分 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | ライトノベル・漫画・アニメ |
ポータル | 文学・漫画・アニメ |
「ラノベ好き書店員大賞2020」文庫部門で2位を獲得[5]。「このライトノベルがすごい!」文庫部門では2021年版から2年連続1位[6][注 1]、2023年版で2位を獲得して殿堂入りを果たした[8][注 2]。2021年2月時点でシリーズ累計部数は28万部を突破している[10]。
メディアミックスとして、コミカライズ作品がボブキャの作画で2020年4月11日より『マンガUP!』にて連載されているほか[11]、同年4月17日にドラマCDがリリースされたり[12]、同年4月20日より順にオーディオブック化されデータ販売されている[13][14]。また、テレビアニメが2025年に放送予定[15]。
福井県の進学校「藤志(ふじ)高校」に通う高校2年生の千歳朔は、スクールカーストトップに君臨するリア充。天然姫オーラの同じくリア充である少女、柊夕湖を始めとした通称「チーム千歳」と言われるメンバーと日々、青春を謳歌していた。
ある日、担任である岩波蔵之介から、ひきこもりになっているクラスメイト、山崎健太の更生を頼まれた千歳。チーム千歳のメンバーたちと協力しながら心を通わせ、山崎健太を非リアから脱却させていく手ほどきをしていくことになる。
千歳は、クラスメイトで夕湖と人気を二分するリア充少女、七瀬悠月から突然「彼氏になってくれませんか」と持ちかけられる。しかし、告白の理由を聞いていくと、彼女がストーカーに狙われているかもしれないということに行き着く。千歳は、悠月が抱えている問題を解決するために疑似恋愛状態になって、ストーカーや嫌がらせを解決していく。
その後も、本好きの不思議な先輩、西野明日風、バスケ部所属の陽気なスポーツリア充少女、青海陽といった少女たちの抱える悩みや課題を解決し、また千歳自身も1年の夏に退部していた野球部との間に抱えていた自分の気持ちと向き合っていくことになる。
夏休み。夏のフェニックス花火や藤志高校恒例、夏の勉強合宿といったイベントで青春を謳歌していく千歳と5人の少女たち。しかし、合宿最終日に柊夕湖がとった行動からチーム千歳の関係に変化が起きる。
チーム千歳メンバーそれぞれが行動していく中、努力型の後天的リア充少女、内田優空は、ひとり関係改善のために奔走する。
6.5巻
他の巻にはない、ヒロイン達の日常を描き、千歳の心情が描かれない、つかの間の物語。
7巻
夏を終え、関係性が変化しつつも、チーム千歳は新しいスタートを切った。次に迎える文化祭に向けて動いていく中、一人の後輩、望紅葉が関わり始め、物語は後半へと向かう。
声はドラマCD・オーディオブック版で共通の声優[12][13][16][17]。
著者は自身の描きたい青春ラブコメとズレが生じてしまったり、恋愛関係に発展するために時間を使わなければならない点を懸念し、ライトノベルにおける「ぼっち系」や「オタク系」の主人公にすることを避けている[18]。また、著者は「美少女ゲームのプロローグや共通ルートを飛ばしていきなりヒロインの個別ルートが見たい」という思いから主人公を「リア充」にすれば余計な設定が不要で恋愛状態にすぐ移行できると考え、リア充主人公が誕生している[18]。ライトノベルにおいて本作のように「主人公がリア充」という設定の作品は希少である[26]。
著者によれば本作は一般的なライトノベル作品と比較すると地の文が多く、情景描写や比喩も多用しており、これらについてはこだわっている点でもあるとしている[18]。
本作における「ラムネ瓶のなかのビー玉」のメタファーについて著者は「手に入りそうな場所にある綺麗なもので、みんなが欲しがるけど、手に入れてみたらちっぽけなものに感じるかもしれない存在。このような存在として『ラムネ瓶のなかのビー玉』を表現している」と述べている[18]。
著者は小説家になりたいという思いを持ちつつも仕事の忙しさから書くことができず、現状を打破するために仕事を辞めて小説を1本書き上げ、とある新人賞に応募したものの落選した[18]。その後、他のライトノベルに自身の読みたいラブコメ作品がなかったことが発端となり、本作の執筆を決意した[18]。
著者は物語の発想について、「ど真ん中王道のラブコメ」「本当に『青春している』というただそれだけの物語」を書きたかったという思いから生まれたと述べている[18]。そのため「小学館ライトノベル大賞」優秀賞を受賞した際の「設定が斬新」という評価はピンと来なかったという[18]。
第13回小学館ライトノベル大賞にて優秀賞を受賞[4]。ゲスト審査員を務めた浅井ラボは本作を以下のように評している[27]。
著者によれば『このライトノベルがすごい!』で1位を獲得してから本作の舞台となった福井県在住のコアなファンが増えており[28]、具体的には福井雑学を織り込んだマニアックな聖地巡礼マップを作成するファンや、手作りの聖地巡礼ノートを作成し、地元の店舗に交渉して設置したファンもいたという[28]。さらに、メディアでは福井新聞社や福井テレビ、ラジオ日本から取材を受けるようになったことを明かしている[28]。
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