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『初恋彗星』(はつこいすいせい)は、綾崎隼による日本の小説。「花鳥風月シリーズ」の第2作。巻頭には、旧約聖書・箴言17章17節の句が引用されている。
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幼い頃に両親が離婚し、父親と2人暮らしの逢坂柚希は、兄妹同然に育った幼なじみの美蔵紗雪の飼い犬の散歩に付き合い、欠席していた転校生・舞原星乃叶にプリントを届ける。だが、そこで2人は家に火を付けようとしている星乃叶を見つけ、止まらせる。
事業に失敗し莫大な借金を負った父が新潟の名家と謳われる舞原一族から絶縁され、山梨県に引っ越してきた星乃叶は、継母からのひどい虐待に追い詰められていたのだった。
何も話そうとしない星乃叶だったが、敏感に事情を察した紗雪の母は、星乃叶の美蔵家への居候を継母に認めさせる。星乃叶は柚希と紗雪と急速に親しくなっていき、荒んでいた星乃叶の心は柔らかくひもとかれていく。やがて星乃叶は柚希に恋をし、2人は付き合い始める。ある夜、天体観測に出かけた柚希らは、 「2061年のハレー彗星を一緒に見よう」と固い約束を交わす。
だが、星乃叶が父親の仕事の都合で新潟に戻ることになり、遠距離恋愛となる。柚希は機械が苦手な星乃叶と手紙でやり取りを重ねるが、柚希の知らないところで事態は大きく転換していた。
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