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小麦の表皮、胚芽、胚乳をすべて粉にした小麦粉 ウィキペディアから
全粒粉(ぜんりゅうふん、ぜんりゅうこ 英: wholemeal flour, whole-wheat flour)とは、小麦の表皮、胚芽、胚乳をすべて粉にした小麦粉である。
全粒粉 | |
100 gあたりの栄養価 | |
---|---|
エネルギー | 1,424 kJ (340 kcal) |
71.97 g | |
食物繊維 | 10.7 g |
2.5 g | |
飽和脂肪酸 | 0.43 g |
一価不飽和 | 0.283 g |
13.21 g | |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 |
220 µg |
チアミン (B1) |
(44%) 0.502 mg |
リボフラビン (B2) |
(14%) 0.165 mg |
ナイアシン (B3) |
(33%) 4.957 mg |
パントテン酸 (B5) |
(12%) 0.603 mg |
ビタミンB6 |
(31%) 0.407 mg |
葉酸 (B9) |
(11%) 44 µg |
ミネラル | |
カリウム |
(8%) 363 mg |
マグネシウム |
(39%) 137 mg |
リン |
(51%) 357 mg |
鉄分 |
(28%) 3.6 mg |
亜鉛 |
(27%) 2.6 mg |
マンガン |
(194%) 4.067 mg |
セレン |
(88%) 61.8 µg |
| |
%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 出典: USDA栄養データベース |
表皮(ブラン)と胚芽(はいが)からくる「香ばしい風味」と、「歯ごたえのある食感」が特徴である[2]。胚乳だけを用いる通常の小麦粉と比べ栄養価が高く、薄力粉と比較して3倍程度の食物繊維や鉄分を含み、ビタミンB1の含有量も高く、健康志向の食品に用いられる[3]。粉の色はやや茶褐色を帯びる。通常の小麦粉ほどは保存性は良くない。
アメリカ合衆国のシルベスター・グラハムが1837年にその栄養価の高さに注目し、全粒粉の利用を薦めた。かつて「グラハム粉(Graham flour)」とも呼ばれた。ただし現在、「グラハム粉」と呼ばれるものは全粒粉全般ではなく、全粒粉の中の特定のもの、胚乳を表皮や胚芽と分けてから胚乳は普通の小麦粉と同じように挽き、表皮や胚芽を粗挽きにして混ぜ合わせたものである(詳細は「グラハム粉」の記事で説明)。
強力粉に全粒粉を加えることで「独特の風味」「ほのかな酸味」「コク」を楽しめるパンになる[4]。パン生地を作るときは、強力粉を基本にして、そこに全粒粉を加える。なお全粒粉は通常の小麦粉より胚芽油が多く、その影響でグルテンの形成は良くないので全粒粉だけでパンをつくるということは通常しない。パンの場合、強力粉+全粒粉にさらにライ麦を加えたり、あるいは強力粉+全粒粉にナッツなどを加え、深みのある味わい、複雑な味のパンをつくっているベーカリーも多い。日本のスーパーなどで販売されているヤマザキパンのマフィンも通常2種類販売されており、一方は白っぽいが、もう一方は「全粒粉 マフィン」であり、風味豊かで良く売れている。
ケーキに入れることもある。やや古風で、素朴で、どっしりとしたケーキになる。見た目の白っぽさや膨らんだことによる「軽さ」が重視されるスポンジケーキには向かない。
日本の武蔵野うどん、インドのチャパティにも全粒粉が使われている。
製麺業界でも全粒粉の使用を試みられてきたが、グルテンの形成が困難であることから小麦粉の一部に全粒粉を加える程度に限られていた。
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