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催眠シリーズ(さいみんシリーズ)とは、BLACKRAINBOWから発売されたアダルトゲームのシリーズである。
2001年12月21日に発売された『催眠術』を第一作とする本シリーズは催眠フェティシズムを題材としており、凌辱もの・抜きゲーとする文献もある[1]。また、一部の作品で寝取られの要素もある。
本シリーズの作品のうち、BLACKRAINBOWから発売された作品群には村越進太が何らかの形で登場するため、「村越シリーズ」と呼ばれることもある。なお、村越は同ブランドの『From M』にも登場するが、シリーズのうちの一つである『催眠学園』とのつながりはない。
のちに、NATORI烏賊をはじめとする『催眠術』の開発スタッフの何人かは、BLACKRAINBOWから独立して筆柿そふとを立ち上げ、本シリーズの展開を継続している[2]。
本項では、筆柿そふとから発売された作品群についてもシリーズに含める形で解説する。
DVDPG版については、各作品の節を参照。
ジャンル |
催眠凌辱AVG AVG(DVDPG版) |
---|---|
対応機種 |
Microsoft Windows 95/98/98SE/Me/2000 Mac OS 8.5/8.6/9.0 |
発売元 | BLACKRAINBOW |
キャラクターデザイン | 吉野恵子 |
シナリオ | NATORI烏賊 |
発売日 |
2001年12月21日 2003年1月30日(DVDPG版) |
キャラクターボイス |
なし あり(『催眠学園DVD with 催眠術』) |
『催眠術』は2001年12月21日にBLACKRAINBOWから発売されたアダルトゲームであり、BLACKRAINBOWのデビュー作である。
特典としてP/ECE用ソフト『催眠ビーム』が同梱されている。
2006年6月30日には『催眠術』とのセット販売である『催眠学園DVD with 催眠術』がBLACKRAINBOWから発売された。
また、2014年5月30日には筆柿そふとからリメイク版『催眠術Re』が発売されている。
オリジナル版では音声が収録されていなかったのに対し、『催眠学園DVD with 催眠術』収録版[3]および『催眠術Re』では声優による音声が収録されている。
NATORI烏賊は、『催眠術』という題名について、この単語が別のところで使われているだろうと考えて調べたものの見つからなかったため、このまま採用したと、おくとぱすとの対談の中で説明している[4]。
兄夫婦と二世帯住宅で暮らす平凡な少年・青木 直人のもとに、祖父から『催眠術のかけ方』というビデオテープが贈られた。当初、直人はこのビデオの内容を真に受けていなかったが、好きな子に振られたため、試してみようと考えた。ところが、同級生の村越 進太の手にそのビデオテープが渡ってしまい、大変なことになってしまう。
イ・ヤン提督は『催眠学園DVD with 催眠術』のレビューの中で、『催眠術』の画風の古さを指摘しつつも、村越がお邪魔キャラとして活躍するシナリオは催眠シリーズのファンなら一読の価値があると評価している[5]。
発売元 | BLACKRAINBOW |
---|---|
キャラクターデザイン | 皇裕介 |
シナリオ | NATORI烏賊 |
発売日 |
2003年6月6日 2006年6月30日(『催眠学園DVD with 催眠術』) |
『催眠学園』は2003年6月6日にBLACKRAINBOWから発売されたアダルトゲームであり、特典としてP/ECE用ソフト『催眠ビームII』が同梱されている。
2006年6月30日には、『催眠術』とのセット販売である『催眠学園DVD with 催眠術』がBLACKRAINBOWから発売された。
『催眠術』に登場した村越進太が『催眠学園』の主人公を務めるが、『催眠術』および『From M』とのつながりはない。
NATORI烏賊は、『催眠学園』のシステムについてキャラ選択進行タイプとしている[6]。
主人公・村越進太は同年代だけでなく親や教師にまでも嫌われていた。
ある日、唯一の友であるネット友達「Mr.K」から「催眠導入機」が贈られる。
進太は「催眠導入機」を用いて、自らをこけにした女たちを堕としていくのであった。
P/ECE用ソフト『催眠ビームII』は、画面上に並ぶ二人の少女のうち、美少女の方に催眠ビームを当てるとご褒美画像を見ることができる一方、醜い方にビームを当てるとゲームオーバーとなる。なお、『催眠ビームII』のリザルト画面に表示されるパスワードを入力すると、『催眠学園』のおまけシナリオが解放される。
イ・ヤン提督はMedia Clipに寄せた『催眠学園DVD with 催眠術』のレビューの中で、『催眠学園』について、「640×480という前時代的な解像度ながらも、グラフィックは古さを感じさせず、総合的に見ても完成度が高い」と評したと同時に、日付が変わった際にメッセージスキップが強制的に解除されてしまいゲームのテンポが悪くなる点を指摘した[5]。
シナリオライターのおくとぱすは、STUDIO邪恋で『操心術』を開発していた時に、本作の存在を知って途中で方針転換を図ったと、NATORI烏賊との対談の中で振り返っている[7]。また、おくとぱすはスタッフィングという別のブランドの『催眠遊戯』という作品において、本作のある場面をオマージュしたとも話している[7]。
『催眠術2』は2007年9月28日にBLACKRAINBOWから発売されたアダルトゲームで、『催眠術』の続編である[8]。原画は吉野恵子が担当した[8]。
NATORI烏賊は『催眠術2』のシステムをストーリー進行タイプと称している[6]
2008年4月25日にBLACKRAINBOWから発売されたファンディスク『裏・催眠術2』には村越に焦点を当てた新規ストーリー「村越先生の催眠学院」と、ユーザーからの要望を基に『催眠術2』のヒロインたちを題材とした「ANOTHER WORLD」が収録されている[9]。『裏・催眠術2』には、分岐がなく、いずれのストーリーも1本道である[10]。
主人公・桜井進は、家では母・佐和の小言に耐え、学校ではいじめと幼馴染からの冷たい視線に耐えながら生活しつつも、叔母の家での夕食を唯一の楽しみとしていた。 ある日、進は村越進太という男から催眠術を教えられる。その際村越はEDに悩んでいたということで、進にその結果を報告してほしいと依頼し、隠しカメラを仕掛ける。
まず、進は叔母に催眠術をかけ、ピアノの練習と錯覚させてセックスの練習をさせる。次いで、いとこの則子も巻き込み、幼馴染の理枝については、彼女の姉・葉子を利用して催眠に持ち込む。加えて、進は実母にも催眠をかける。
『催眠術2』は、美少女ゲームアワード2008にてエロス系作品賞を受賞した[11]。
アダルトゲームのレビューサイト・Media Clipにて、『催眠術2』および『裏・催眠術2』のレビューが掲載された。『催眠術2』のレビュアーの天城螢は期待を裏切らない作品だと評価し、催眠ものばかり遊ぶ人には物足りないかもしれないとしつつも、多くの人には堪能できるだろうとしている[12]。『裏・催眠術2』ではレビュアーの間で評価が分かれ、星の数は平均値で3.5となった[10]。レビュアーの一人である天城は収録シナリオの一つである「村越先生の催眠学院」について、人によって好みが分かれるとしつつも、エロ描写とテンポの良さを評価した一方で、進が通う学園が舞台なのに、進の関係者が一人も出てこない点が不自然に感じたと述べている[10]。葉柳は「村越先生の催眠学院」の内容に拍子抜けしたと指摘している[10]。
Media Clipでは、OVA版『催眠術 2nd version-』の第1巻「〜幻想と淫夢の世界に〜」のレビューも掲載された。レビュアーの天城螢は、原作から設定がかけ離れていることにショックを受け、特に則子がふたなり化する場面や、エピソードの終盤に佐和がタコに襲われる場面については、原作ファンが受け入れられないだろうと述べ、なぜこのようなことをしたのかと疑問視している[13]。
『擬態催眠』は2010年4月2日にBLACKRAINBOWから発売されたアダルトゲームである。パラダイムノベルから小説版が発売されたほか、mintsからDVDPG版も発売された。また、2011年にはバニラからアダルトアニメ版が発売された。
『擬態催眠』は「擬態編」と「催眠編」の二部構成をしており、前半はキャラクターを選択していく形でゲームが進む一方、後半はストーリーを攻略していく形でゲームが進む[6]。
ディレクター・シナリオライターのNATORI烏賊は公式サイトのコラムの中で、「擬態編」を「『制約の中でどこまで妄想を膨らませられるか』への挑戦」と位置づけ、「催眠編」は「スーパーパワーで好き勝手暴れたい人のために用意した王道ストーリー」と述べている[6]。
特記がない場合はゲーム版/OVA版の順。
『催眠術3』は筆柿そふとから2013年9月27日に発売されたアダルトゲームである。『催眠術3』以降は株式会社ネクストン傘下のブランド・筆柿そふとから発売されている。
深町悟は親に捨てられた過去を持ちながらも、温かな家庭と理解ある仲間たちに囲まれて幸せに過ごしていた。ある時、悟は催眠術を覚え、自らの欲望のままにそれ使ううちに歯止めが利かなくなり、大切な人が傷つく結果となった。
『催眠母』は2014年11月28日に筆柿そふとから発売されたアダルトゲームである。主人公が母親に強いあこがれを持っているという設定であるため、攻略対象となるヒロインの多くは主人公よりも年上の女性である。
主人公・千葉草一は2年前に父親を亡くして以来、孤独な人生を送ってきた。草一の母は彼を産んですぐに亡くなったため、彼は母親に対するあこがれが強く、それが高じてマザコンになった。ある日、相談相手である保健医の神戸みなみから、母親を手に入れたいのであれば、催眠術を使ってみてはどうかと提案され、実践してみた。
『催眠術4』は、2019年3月29日に筆柿そふとから発売されたアダルトゲームである。
両親を亡くして以来、主人公・古橋 和樹は二人の姉とともに生活を送り、クラスメイトや友人たちとも良好な関係を保っていた。心の片隅で幸せがいつか失われる物だと考えていたところ、彼はある人物から催眠術を教わる。和樹は周りの人に対してそれを使ってしまい、取り返しのつかないことになってしまった。
NATORI烏賊は、村越を登場させなかった理由について、シリーズを通じて彼が様々な立ち位置を経験してきたことから、これまでのように「村越ならどうするか?」といったネタをやりつくしたと、おくとぱすとの対談の中で話している[7]。
キャストのうち翼役の蒼乃むすびはNATORI烏賊の別作品『催眠学生2年生』および『催眠学生1年生』に出演しており、蒼乃はオファーをもらった時に初めて続けて起用してもらえたのがうれしかったと 「BugBug」の連載コラム内で振り返っており、しかもメインヒロインという役柄であることから、気が引き締まったとも語っている[14]
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