令和元年台風第28号
2019年に発生した28個目の台風 ウィキペディアから
令和元年台風第28号 (れいわがんねんたいふうだい28ごう、アジア名:カンムリ、フィリピン名:ティソイ) は、2019年11月に発生し、フィリピンに上陸した台風である。
概要

11月24日頃にマーシャル諸島近海で形成が始まった低圧部が、同日21時に熱帯低気圧に発達した。合同台風警報センター(JTWC)は25日18時(協定世界時25日9時)、熱帯低気圧形成警報(TCFA)を発し、26日6時(協定世界時25日21時)に熱帯低気圧番号29Wを割り当てた。29Wは同日9時にマリアナ諸島付近(北緯10度20分・東経149度55分)で台風28号となり、アジア名「カンムリ(Kammuri)」と命名された[1]。命名国は日本で、かんむり座に由来する[2]。28号は発達しながらゆっくりと西に進み、監視エリア内への進入が確認された30日6時(フィリピン標準時30日5時)、フィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)はフィリピン名「ティソイ(Tisoy)」と名付けた。台風は当初、カテゴリー1の勢力を保っていたが、12月3日の午前3時頃、カテゴリー4の非常に強い勢力でフィリピンのルソン島(ソルソゴン州)に上陸[3]。上陸後の最大風速は約49m/s、最大瞬間風速は約67m/sであった[3]。台風の上陸に伴って、ルソン島南部では1日200mmを超える大雨に見舞われたほか[4]、予防措置としてマニラのニノイ・アキノ国際空港が閉鎖された[3]。その後、6日0時に南シナ海(北緯12度・東経113度)で28号は熱帯低気圧に変わり、同日15時には消滅した。
11月30日、この台風における雲頂温度がマイナス109.4℃になっていたことが衛星画像の解析で分かり、観測史上最も「冷たい」台風となった[5]。
またこの台風は、11月に入ってから6個目に発生した台風であり、11月に6個の台風が発生するのは1991年以来28年ぶりで、1951年の統計開始以降の最多タイとなった(11月の台風の平均発生数は2.3個)[2][6][7][8][9]。
影響・被害
この台風により、ルソン島を中心にフィリピンで合計13人が死亡したほか、約6万6000人が避難を余儀なくされた[10]。現地では強風により倒木や家屋の損壊、洪水による浸水などの被害が発生。ニノイ・アキノ国際空港の閉鎖時間は異例の12時間に達した。台風の影響で135校の学校が被害を受け、約1200棟の家屋が倒壊したほか、最大の被災地域の作物被害は、約17億円にのぼると推定される[11]。
その他
外部リンク
脚注
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